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これは夢

「おい、1092番!お前だ、来い」

いつも気づけば知らない部屋に何人かの人と一緒に詰め込まれている。白いワンピースを男女とも着衣しており、腕には見たことの無いロゴの焼印が押されている。

そして監守のような男が私に向かって1092番と声をかけ私の腕をとり歩く。この数字は夢を見るたびに違う。いつから番号で呼ばれるようになったか忘れたが1回1回増えていくのだ。

されるがまま付いていくとある部屋にたどり着く。

そこにあるのは大きな機械、のような物。

どくん、どくん、とまるで心臓のように管が脈をうち、真ん中にある球状の液体にはいつも日本刀だったりあるときは狐のようなぬいぐるみだったりが浮かんでいる。

その真下に位置する椅子に座るように促され、そこで私の手足は椅子に拘束され、そして私を見下ろす彼らは次にーーーーー。


「ハッ…!はぁ、また起きちゃった…」


物心ついてから何度も、何度もこんな夢を見る。彼らが一体次に何をするのか、あれはどういった場所なのかわからない。

でもいつも心臓が早く脈打ち、冬だろうが汗をかいて飛び起きるのが常だった。

「っと、いけない。学校おくれる!」

今春、高校を卒業し専門学校に通うことになった私はこの機会にと一人暮らしをはじめたばかりだ。自分のことは自分で何もかもやらねば誰も頼れない。

お弁当をつくり家を出る頃にはもうその夢のことも忘れているのもいつもの事で。











ただ何処かで考えないようにしていたからかも知れないが、名前は気づいていなかった。幼い頃から見ていた夢がだんだん長く、そして鮮明に記憶に残るようになっていたことに。





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