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誰か止めないのかと思っていたのに、寧ろ他に言われて、仕方なくその上司の隣に行く。
も、もしかしたら怒られるのか!?
「お前には酌をしてもらうか」
はい?
「違いますよ、部長」
「ああ、そうか。間違えた」
ん?
「お前、自分に酌しろ」
ど、どういう。
俺が酷く混乱していると、部長と呼ばれた男は俺の手首を引っ張る。
体勢を大きく崩し、よたついて上着とカバンが落ちる。
俺の掌が、生温かい物に触れる。
「…ん?」
「ほら、扱いてくれ」
おいおいおい、これって。これって。
…ちんこっ、だってば…!
「ど、ど、どういう」
俺が混乱しっぱなしでいると、部長はガラスコップを取りだした。
よく見るビールメーカーのガラスコップだ。
「此処にいる全員の精液を此処に入れろ。もちろん、お前が奉仕するんだぞ? 途中で直接飲んだら行けない」
誰が飲むか!と言いたかった。
同僚に助けを求めようと、振り返り目で訴えたが、どうやら無駄なようで。
「早くやれよな」
…と、冷たく言い放った。
俺は今、ものすごく貴重な、さらに気持ちの悪い状況下にいる。
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