きっかけは何であれ


ソファーに座って二人が試着室から出て来るのを待っていた。
ドレスのお会計は既に済まされていて悟のスマートさに驚く。今日一回もお財布出させてくれなかった。慣れてるなぁ。

「お待たせー!」
「…え……素敵」

試着室から出てきた二人に目を見開いた。
傑は濃いグレーのスーツに黒いシャツ、悟はネイビーのスリーピース。
本当に素敵で格好良い。私この隣歩く自信ないんだけど、大丈夫??
ジャケットを羽織りお店を出て、すぐそこだからと手を取られて街を歩く。
モデル?めっちゃかっこいい!イケメン!
とすれ違う女性達がぽっと頬を染めている。
そうでしょうよ。元々悟と傑は綺麗な顔してるし、スタイルも良いから何着てても目立つけどスーツの破壊力は凄まじい。
この二人とお付き合いしているなんて信じられないよね。



「僕達の恋が実った記念日にカンパーイ!」
「ふふっ、乾杯」
「名前本当にそのドレス似合っているよ。綺麗だね」
「悟が選んでくれたのに間違いはないんだろうけど、二人とも凄くかっこいいから隣歩くの恥ずかしかったよ」

二人とも顔を見合わせて溜め息を吐いた。
え?私何か変な事言った?
それにしても二人とも食べ方まで綺麗で本当に見惚れる。こんな人に好かれるなんて私前世でどれだけの徳を積んだんだろう?
グラスを傾けながら二人を見ていると美味しい?とにっこりと微笑んでくれた。
美味しいも何も、もう見てるだけでもお腹一杯です。
コンコンとノックの音が聞こえてそろそろコースも終わりかなと思っていたら目を瞑っててくれないかな?と傑に言われ、なんだろうと思いながらも言われた通りにする。

「名前、もう開けていいよ」

恐る恐る目を開けると真っ赤な薔薇の花束を持った二人がいた。

「いつも優しく笑いかけてくれる名前が大好きだよ。僕と結婚を前提に付き合ってください」
「名前は私の些細な変化にも気付いてくれてそれに凄く救われているんだ。私も君の事が大好きだよ。ずっと隣にいてくれるかい?」
「……」
「えっちょっと何で泣くの?」
「嫌、だったかい?」
「嘘みたい…本当に私でいいの?」
「名前だからだよ」
「僕も名前じゃなきゃ無理」

びっくりしたのもあるけどこんな映画みたいな素敵で嬉しくて、心がきゅうってなって感情が溢れ出してるみたいで涙が止まらない。
昨日無理矢理言わせた感じだったからやり直したんだけどと涙を拭いてくれる二人に思わず立ち上がって抱きついた。

「…私も好きです」
「はぁ…良かった。一生大事にするよ」
「あーもう、愛してるよ。今すぐ結婚したい」
「悟も傑も幸せって思えるように頑張るね」

「「…本当そういうところだよ」」

二人が後悔しないように好きになってくれた私でいる為に、私は何をしたらいいんだろう。

「何も頑張らなくていいんだよ。そのままの君でいてくれたらそれだけで私は幸せだよ」
「名前が笑っててくれるだけで僕は頑張れるんだから難しく考えないで、僕達に愛されてたらいいんだよ?」
「私も、そのままの悟と傑が好き、みたい」
「…ぐずぐずに溶かして甘やかしてぐっちゃぐちゃに犯したい」
「悟…心の声がだだ漏れしているよ」

三人でクスクスと笑った。
どうやら私はこんな二人に愛されて幸せになれるらしい。




  
back
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -