勝ち負けより大切なこと 03.

『幸村くんは楽しかった?』

「えっ?」

『全国大会。楽しくやれた?』

名前は俺に聞いてきた

「あぁ、楽しかった。テニスが出来るのが幸せだった。」


『だったら幸村くんは約束を守ってくれたよ』

名前はそういって微笑んだ

「でも、俺は負けたんだ!!」

俺はつい大声をあげた。

『幸村くん私ね勝負で勝ち負けって関係ないと思うんだ。』
「関係ない…?」

『うん。幸村くんはテニスを楽しんでできた。だったら私は良いと思う。』

名前は俺に満面の笑みを向け

『約束守ってくれてありがとう』

っといった


俺はこの時はじめて泣いた。


悲しいからでも
悔しいからでもない涙


名前の優しさに涙がでてきた。



「…名前。俺名前に言わないといけないことがあった」

『何?』


「俺は名前の笑顔が好きだった。だからこれからは一緒にたくさんのことを二人で楽しもう」


本当は全国優勝してからいうつもりだったけど名前の優しさに包まれたその笑顔をみて言わずにはいられなくなった。

『じゃあ今度は二人で楽しもう。約束だよ』

名前はあの人同じように俺に小指を出してきた。



俺は名前に勝ち負けより大切なことを教えてもらった


勝ち負けより大切なことを

それは

楽しむこと

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