勝ち負けより大切なこと 02.
「ゲームセット!!」
審判の声が会場に響く
全国決勝俺達は青学に負けた…
メンバーは皆涙を流していた
俺はただ立ち尽くしていた
会場をでて帰っていると
「精市」
弦一郎が俺をよんだ。
「そんなに思い詰めるな。相手は天衣無縫の極みの扉を開いていた。仕方がない」
「うるさい!!なにが仕方がないんだ!!勝たないと…勝たないと意味がないんだ!!」
俺は弦一郎の仕方がないという言葉にムカついた
「精市…」
「よるところがある…。」
「わかった…」
俺は弦一郎と別れるとある病院にいった。
別に俺自身が体調が悪いわけではなかった
ある人に会わなければならなかった。
一つの病室に入ると少女は窓の外に向けていた視線を俺に向け優しく笑った
『幸村くんお疲れさま。』
「名前すまない。約束を…守れなかった…」
約束…
それは俺達が出会って少しくらいしたときにした。
『幸村くんってテニスするんだ。』
「あぁ、退院して少ししたら全国大会があるんだ」
『本当に!?すごい!!私小さい頃からずっと入院しててまともに学校行ったことないんだ。』
「そうなんだ」
『うん。でもね今度の手術成功して体調が良くなったら退院までとはいかないけど学校にいけることになったんだ』
「よかったじゃないか」
『でもね、その手術成功する確率が低いの…だから私怖くて…手術うけるか迷ってるの』
「名前その手術受けなよ」
『でも…』
「一人だと怖いかもしれないけど俺もいるから。名前は病気と戦うんだ。俺はテニスで戦ってくる。必ず勝ってくるから。」
『一人じゃない…。わかった!!私頑張るから幸村くんも頑張ってね!約束だよ』
名前と俺は指切りをした
そうして交わしたこの約束
名前は手術を受けて病気と戦い勝った。
でも俺は負けてしまった
約束を守れなかった…
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