01
「まさかメイド喫茶…」
「じゃないから。」
もうすぐ文化祭。
今日は授業の合間を使ってクラスで出し物を決めた。
各クラスの出し物がカブらない為に、希望用紙を生徒会に提出しなければいけないらしい。
で、その話を昼休みに出した途端冒頭の台詞。
言ったのは野口。
「…違うんだ。」
「違うし何で残念そうなんだよ。」
「グッチーはマナトのメイド姿を見て爆笑したかったんだよー。」
「マジか…お前最低だなぁ。」
野口は目を見開いて頭をぶんぶん横に振った。
必死に否定するものだから笑えてくる。
それにしても…
メイド喫茶、ね。
文化祭では定番で人気が高い。
きっと希望するクラスはダントツに多いだろうな。
て言うか男子校なだけに皆ノリが良いからさ。
可愛い奴男らしい奴関係なくメイド服着そう‥。
……うわぁ、
想像してあまりの気持ち悪さに内心苦笑いした。
キモすぎる。
「結局マナトのクラスは何になったわけ?」
「まだ決まってないよ。でも‥多分飲食系になると思う。」
「メイド喫茶の可能性はまだある訳だな。」
「…だからないって。」
よほどメイドに興味があるのか何なのか…野口は諦めきれない様子だった。
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