01



最近仲良くなった子、あいちゃんこと谷本愛斗。


あいちゃんは元々池内の友達で、池内の口から「マナト」と言う名前が度々出てきた。

だからと言って特別接点も興味もなくて、池内を挟んで初めて会った時から暫くは話す事が本当に無かった。

それが今では共通の趣味を見つけて以来仲良くなって、話す機会が急激に増えた。



あいちゃんはパッと見普通だけど、なかなか毒のある子で面白いと思う。

池内と仲が良いだけあって冗談も通じるし、池内をイジり倒した後に悪戯が成功した子供みたいに無邪気に笑ったりする。

そんな無邪気なあいちゃんを逆にイジるのが最近の楽しみだったりして、

自分でも気付かないうちに、あいちゃんと居てもっと笑うようになった。






「グッチー。昨日映画観てきた。」

「へー、何見たの?」

「ペカチューだよ。マナトがすげぇ好きで付き合わされた。」


げっそり感のある表情をしながら池内が言った。

嫌なら断れば良かったのに‥。


「周りが子供ばっかでさ‥恥ずかしくて最悪だったし、」

「そっか…」

「とーか言って俺が一番号泣してたけどな!!」

「どっちですかー、」

「いやいや感動作だったんだよ!!パンフレット見る!?」


余程良い映画だったのか、興奮気味にパンフレットを取り出した池内。

それをやんわり断ったら悲しげな顔をされた。



× next

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -