03



その日の夜。

風呂上がりにベッドを見たら携帯のランプが点滅していて、メールの受信を知らせていた。

メールは池内からだった。


『グッチーから"CDマジで聞いてくれるのなら明日持って行きますが何枚くらい持ったらいいですか?"って来たんだけど、どうする?』

「聞いてくれるって‥」


俺が聞きたいって言ったのに変な事を言う奴だな。

ちょっと笑ってしまった。


『取り敢えず3枚くらいで宜しくお願いします。って伝えておいて。池内もわざわざありがと!』


向こうが敬語なら敬語返しで‥と業務連絡みたいな返信をした。

と言うか池内が可哀想だし、メアドの交換をした方がいいなって今更思った。






「おはよー!」

「アイト君だ。おはよー。」

「アイトって誰だよ!マナトだから!」


次の日。

隣のクラスで2人に声をかけたら、先に気が付いた野口がふざけた事を言ってきた。

アイトって呼び間違えられるのはよくある事だけど、まさかこのクールな印象を持つ格好いい野口に言われるとは思わなかった。

野口を知れば知る程変な奴だ。


「アイト君。CD持ってきたよ。」

「マジで、ありがと!今日iPodに入れて聞いてみる!」

「おう、良い曲ばっかだからさ‥是非とも聞いて下さい。」


‥なんて言いながら頭をペコッと下げた野口。

やっぱり相当好きなんだろうなぁ。






「…ん?」


ウチへ帰ってCDを袋から取り出したら、メモが入っていた。

メモには可愛らしい丸文字で「アイト君へ。借りてくれてありがとう!良い曲しか入ってないから聞いてみてね★byグッチー」と書いてあった。

文字の可愛らしさとテンションに一瞬衝撃を受けた。

不思議過ぎる…と。

本当に変な奴だと思わずにはいられなかった。

一方で俺も、返す時にメモを付けようと考えていた。



prev next

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -