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▼ T

気だるい号令がかけられ、鈍いチャイムの音が鳴る。
それを聞いた生徒たちは、鬱屈とした授業から一転、放課後の自由な時間への解放にざわめきだった。
特に何も考えず、ガムを噛みながらユースタス=キッドが立ち上がろうとした矢先、「……おい」と声がかけられた。
思わず条件反射で「あぁ?」とドスの効いた声で振り向くと、

「……なんだよ。ドラファルガーじゃねぇか」
「おい……この後、ヒマだろ?」
「いや、今日は隣のクラスの奴とちょっと遊びに――……ってお前、もしかしてまたかよ?」

眉をあげて呆れたように叫ぶキッドに、ローは黙って頷くしかなかった。
「っあーー、もう。ちょっと待ってろ」
参ったな、と呟きつつもスマートフォンを手に取り、メッセージを打ち込む。

「おし。これでもう平気だから」
「……悪りぃな」
「いいよ、もう。ーーで、場所探さねぇとだ」

行くぞ、と乱暴に鞄を肩にかけてキッドは歩き出した。
その後ろを少し離れて歩きながら、ローは今日、何を口にしたか考えはじめた。


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