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▼ W

「何してるんだ、ドフィ」
裸のローを片手に抱き、真夜中の廊下を歩くドフラミンゴにヴェルゴは声をかけた。

「フッフッフ…ちょっと遊んでてな」
「血が流れてるじゃないか。あまり床を汚すなよ。……随分機嫌がよさそうだが……」
「いや、むしろ悪い方だ」
「ローがまた何かしたのか」
「そうじゃねぇ。…ただなーー」

ドフラミンゴはローの瞼をもう片方の手でそっと拭ってやる。
透明な涙の欠片で指がほんの少し濡れた。

「戯れに摘み取るもんじゃあねぇなぁ」

「……?」と首を傾げるヴェルゴに、「風呂に入る」と告げてドフラミンゴは歩きだした。
ヴェルゴもまた己の部屋へと戻ろうとした矢先、「あぁ、そうだ」と思い出したように、振り向きもせずドフラミンゴは言った。

「この間の女、追い出しとけ。適当な理由をつけてな。そこら辺はお前に任せる」

大きくため息だけをヴェルゴはその場を後にした。
ドフラミンゴとローの間に何があったのか。
そんなことは聞かなくても一目瞭然だ。
「適当な理由だなんて困ったものだよ」
部屋に入り、そう愚痴るとヴェルゴはデンデン虫を手にとった。

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