お前は子供の頃、他人の気持ちが分かったか?
俺は分からなかった
自分が分かっていないことすら分からなかった

人間は生まれた瞬間は何もない状態だ。からっぽだ。真っ白だ。

それ故に純粋で無邪気で残酷で、



自分を見つめてくる親の笑顔を見て初めて、赤子は笑顔を自分の顔に作る
純粋な真似から、人間にらしくなっていく
人間になっていく


自分の感情を知り、感じ、表現することを覚える
そこに意味はない。いや、正確に言えば意味はあるのだろうが、あれはどちらかと言うと本能に近いだろう
細かいことは分からないが
いや、本当に分からなかったんだ
周りの当たり前が自分には無かったんだから

だって誰も教えてなどくれなかった



人間は何もない状態で生まれるくせに、本能で人間になっていく

自身をないがしろにした対象に怒りを感じる
自身を慈しむ対象に愛しさを感じる
そしていつしか自分以外のものに与えてやりたいと思うのだ


それが自分には無かった
みんなが本能で出来たことが自分には出来なかった
両親が笑顔を向けてくるのが純粋に不思議で疑問だった
それは何だ、と本気で思っていた
自分に出来たのは、無表情のままニコニコ笑っている両親の顔をただ見つめ返すだけだったのだ



俺は分からなかったのだ
なのに何故か
そんな俺が、人間として致命的で、欠陥の俺が、
どうしてあの子たちを育てようなどと思ったか

それはいい、我が師匠の忘れ形見と唯一無二の親友の大事な弟だからだ
動機が不純?好きなだけ言え

俺は子供が嫌いなんだ
行動の9割が理解出来ない


話を戻すぞ

そう、こんな人でなしが人の子を育てること事態が問題なんだ

近付いたのは利用できると思ったからだ

あいつらの大事な子だったからだ。


だがな?俺がへらへらと楽に育ててきたと思ってるのか?

こんな俺が子供を育てるんだぞ

理解不能の生物を、何よりも理解出来ない自分が育てるんだぞ?


いったい俺が何冊子供子育て本を読んだと思ってる!

[これで君も大丈夫!年頃の男の子の接し方]を本屋で買わなければならなかった俺の気持ちが分かるか!

俺は他人の気持ちなどどうでもいいと鼻で笑える人間だ
他人の気持ちなど分からなくとも生きていけると本心からのたまえる人間だ

当たり前だろう他人なんだから


そんな俺が、ここまで育てるのにどれだけ苦心してきたか!

お前、ナルトが家でどれだけ悪戯を連発してるか知ってるか?
日常のあらゆる場面にトラップがある生活が想像出来るか?

サスケがどれだけ腹が立つか知ってるか?
日常のあらゆる場面で馬鹿にしたようにスカしてるのを知ってるか?



それをなんだアイツは
許せるか?許せると思うか?

いや殺す
抹殺する
撲殺する
虐殺する




というわけでお前は居場所を探せ
次いで俺が殺してやる



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


感情というものが無かった忍びが、ナルトとサスケを育てていたが、二人とも大蛇丸にさらわれた!な話
無自覚ブラコン大発揮。いや、兄弟ではないですが
話してる相手はカカシです
感情に乏しいはずがあの二人に関してはキレると怖い、そんで大蛇丸のとこに変なテンションのまま乗り込むという







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