今日のアンチューサ(左京様から 秋のフリリク企画)


 一五○○…ココロはリアンの部屋を訪れていた。
「いらっしゃい。」
「お邪魔します。あ、これ良かったら…。」
 彼女の手には今しがたまで作っていたカップケーキ入りの箱があった。
「こんなことしなくても良かったのに。」
「いや…流石に手ぶらじゃ不味いなぁって。」
「ココロらしいっすね。」
 有難うと言いながらリアンはカップケーキを受け取った。
 部屋に案内されるとソファーにはグレンが座っていた。持ってきた本の活字を、赤い目が素早く追っていた。
「こ、こんにちは。」
「…………こんにちは。」
 挨拶を返すとグレンは再び活字を追いかけ始めた。少しさびしいなあ…とか思ってしまった。いやいや出会った当初に比べたら全然良くなっている。
「座ってて、もう少ししたら出来るから。」
「あっうん。」
 取り合えず空いているソファーに座る。ここからだとグレンが読んでいる本のタイトルが見える。『オラクル細胞における……あっ手が邪魔で見えなくなった。まさかグレンが研究関連の書籍を読んでいるとは……。
「……純文学も読む。」
「そうなんだ。」
 気になった本は手当たり次第読んでいる、とグレンは言った。
「…そういえばアキラは?」
「部屋の植物の面倒見てから来るって言ってた。」
 この間非認可の栄養剤をあげて自室をジャングルにしていたが、片付いたのだろうか…。まだその片付けなら手伝いに行ったほうが良い様な…?
「ココロが心配する必要ないっすよ。あれはあれでアキラは楽しんでるみたいだから。」
「アキラは本当に植物が好きなんだね。」
 この前貰った果物……美味しかったなと思い出す。
「今日のケーキはそのアキラがジャングルにした苺のショートケーキっすよ。」
「わあ…これリアンが全部作ったの!?」
 可愛らしくデコレーションされたショートケーキがテーブルに置かれた。紅茶も淹れ終わったらしく、後は食べるだけの状態。
「アキラ遅いね。」
「全く何してんだか…。」
「…呼んで来るか?」
 グレンがパタンと本を閉じた時だった。
「ごめん遅くなったわ。」
 言葉とは裏腹に颯爽と部屋に入ってきたのは、今しがた話をしていた渦中の人物だった。
「遅いっすよ何してたんすか?」
「何ってキャサリン達の手入れしてから行くって言ってたでしょ?」
「またジャングルにしたんじゃないかと思ってたっす。」
「なんですって?」
「まあまあ二人とも。」
 ココロの仲裁によりお茶会が喧嘩にならずに済んだところで…。
「いただきます。」



遅くなりました…!吉乃さんリクエストうちのブラッド隊とココロちゃんでした。
わいわいお茶会して貰いました。わいわいというかうちの子らのせいで喧しいお茶会に…(笑)

アンチューサの花言葉は「大切な思い出」

少しでもお気に召して頂ければ幸いです。
リクエスト有難う御座いました!

※お持ち帰りは吉乃さんのみ可。


―――

こういうのを見ると皆年相応に見えてすごく心がほっとしますね…!ゲーム内でもわいわいしてる場面があったらよかったのに…ピクニックとかもっとしてほしかったです←
左京様、素敵な小咄ありがとうございました!

持ち帰り禁止

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