姫抱っこ/月影

「ふん、あのババア。遺産争いに勝手に私を巻き込んで、どういうつもりかしら。殺しなんて割に合わないでしょうに。」
「しかし、…***殿、前門の虎、後門の狼とはまさに今の状況を指すと思わないでは御座らぬか。ここは30階の屋上。眼前は行き止まり。あと数分も立たずに追っ手が来るはず。」
「はんッ、これ位のこと切り抜けられないほど甘っちょろい人生送ってないわ。」
「その威勢と思い切りの良さは、拙者、好ましく思っているで御座るよ。ちょっと失礼して。拙者の首に捕まってて欲しい。」
「は、はいっ?…ぎゃっ、飛び降りるつもり?! 下ろしてー!」
「こんな所でおろしたら下まで真っ逆さまで御座るよ。」
「やだー!」
「***殿はわがままで御座るな。」





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