黄 彼女 午後12時25分。 4限目の授業終了のチャイムがなる。 教科書を閉じ鞄にしまい、お弁当を取り出す。 その二つを持って友人の席へ向かう。 日差しが強くなかったら外で食べることもあるが、あいにくこの暑さの中食べる気は起きない。 友人の席で、いつもの調子でお弁当を食べ始める。 今日のお弁当はオムライスにポテトサラダ、甘みの強い黄色のプチトマトだ。 トマトが好物の私はいち早くトマトを口に含みながら、一緒に食べている友人との会話を楽しむ。 その会話の合間に、時折鉄君に視線をむけた。 午後12時45分。 ほぼ食事も終わり、雑談がメインになりはじめた。 次の授業は公民だったなと考えていると、 「そういえば撫子は好きな人いるの?」 突然の質問に心臓が跳ねた。が、いつか話そうと思っていたからちょうどいい。 友人は、なんとなく私の好きな人に気がついているように思え、 「鉄君でしょ」 私が話し出すより先に核心を突いてきた。 面と向かって名前を出されると恥ずかしい。 恥ずかしさや照れもあるが、大切な友人には知っておいてもらいたい。 「そうだよ。彼のことが好き」 肯定。した。名前を言うのが恥ずかしくて”彼”と言うのが精一杯だが。 「やっぱりそうだよね。撫子ったらいつも鉄君のこと見てるもんね。」 彼女には敵わないなと思った。 午後1時。 友人と話をしていると、彼が勢いよく席を立ったのが目に入った。 優しい黄色のカーテンに緩められたはずの太陽の光が、なぜか酷く眩しく感じた。 彼 午後12時25分。 4限目の授業終了のチャイムがなる。 教科書を閉じ机にしまい、購買に行く。 お目当てのパンと飲み物を購入し教室に向かう。 もう少し日差しがましなら外で食べるが、あいにく昼間の日差しを受ける気はさらさら無い。 教室に戻り、いつものメンバーで昼食を取る。 今日は玉子サンドとカレーパン、そして申し訳程度に野菜を摂取しようと抗った野菜ジュース。 それらを胃に収めながらもうすぐ文化祭だとか、部活がどうだとかという会話に混ざる。 その会話の合間に、時折萌黄さんに視線をむけた。 午後12時45分 ほぼ食事も終わり、雑談がメインになりはじめた。 次の授業は公民だったなと考えていると、 「そういえば浅葱は好きな子いんの?」 突然の質問に心臓が跳ねた。いつの間に恋愛話に変わっていたのだろう。 質問をしてきた張本人は答えを知っているかのようにニヤニヤしながら、 「萌黄さんだろ」 俺が話し出すより先に核心を突いてきた。 動揺したら、相手の思う壺だが否定はしたくない。 そんな想いが一瞬で脳内を駆け巡り、一つの答えに辿り着く。 「だったらなんだよ」 肯定。した。そのとたん幸福な感情に包まれて”今だ”と脳に鳴り響いた。 「だと思った。浅葱いっつも萌黄さんのこと見てるもんな。もしかして自分で気づいてない―」 友人の言葉を遮り、立ち上がった。 午後1時。 いきなり席を立ち、驚く友人たちを放置し、彼女の席に向かう。 クリーム色のカーテンの隙間から差す太陽の光が、なぜかとても強く感じた。 幸福を感じさせてくれるこの色は私達に希望を与えてくれる。 [mokuji] [しおりを挟む] |