exist@
「…つまんない……」
外は大雨
風が窓ガラスを打ちつけている。
この雨はいつ止むのだろうか……
『exist』
アキラは部屋の出窓の側に置いてあった椅子に腰掛け、雨が降る外を見ていた。
一週間……シキは遠征から戻っていない。
出掛ける前、シキはアキラに「3日で戻る。」と言っていた。
アキラは約束を破られたという怒りと、シキに触れてもらえない物寂しさで、少々やつれていた。
退屈しのぎに城内の男を誘惑する。
しかし、そのあとの処分が恐ろしく誰もが断る。今日もワイシャツ一枚という格好で城をうろつき、男に声をかけた。
「…ねぇ、遊ぼう。」
「アキラ様、それは……」
「キスだけでもいいから…お願い…」
そっと男の身体を触ると、男の理性は粉々に砕けた……。
「ん……っは…ああっ…」
響き渡る嬌声
激しく動く腰…。大雨にも匹敵するほどの淫らな声を上げるアキラ。
かれこれ何回目だろうか。男はこのあとシキにどうされるか見当はついていた…しかし、身体がいつまでも淫らに喘ぐアキラによって止まらなかった。
アキラの身体は今となってはどんな男に抱かれても満足できなくなってしまっていた。常に頭の中では主であるシキでいっぱいだ。
自分が何回達しようと、男はまたすぐに律動し始める。
「…すげ…絞まるっ…」
「そこ…いぃよ…んあっ…もっと…」
一方、城内は慌ただしかった。
シキ率いる軍との連絡が途絶えてしまったのだ。
「それで!まだシキ様たちの安否はわからないのか!」
「ダメです!!」
***
情事が終わり、くたっとベットに突っ伏したアキラは男に尋ねる。
「なんか騒がしい…。…シキは…いつ帰ってくるの?」
何事もなかったかのように着衣を着こなし、ベットに腰掛けている男は慌ただしい原因を知るため出ていった。
それから数分経って男が戻ってきた。
「…アキラ様、大変申し上げにくいことなのですが、今、シキ様たちと連絡が途絶えてしまっているみたいです。いつ帰還されるかも」
「……。」
「…安否も……アキラ様…?」
アキラを見ると大粒の涙が流れていた。
「…なんで…なんで…?帰れないってどういうこと?シキは?シキは大丈夫なの!?ねぇ!!」
泣きじゃくりながら男の身体を揺さぶる。男は何も言えなかった。
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