償い@



今日も雨…
いつになったらこの雨が止むのだろうか…

執務室の椅子に腰掛け、重要な書類を整理しながらアキラは呟いた。

半月ほど前、シキに遠征組から外され、アキラは内務をこなしていた。
外された原因は自分にある。不覚にも風邪をひいてしまったのだ。風邪といっても咳が出るくらいであったため、大丈夫だとシキには言ったのだが、「駄目だ」の一点張りで覆ることはなかった。

自室で執務をこなしてもよかったのだが、アキラは執務室で仕事をしている。
何故なら執務室はシキが多く出入りしている部屋であったため、匂いが残っているからだ。
シキが聞いたら、馬鹿な事を…と言われてしまうだろうが、アキラはこの部屋を気に入っているのだ。



「…今日帰ってくるのか。」

スケジュール帳を見ながら呟く。
シキの予定は全てアキラが管理している。帰省時間は午後3時と書かれていて、今の時刻は午前10時、帰省まであと5時間ある。


アキラは一段落ついたところで伸びをする。誰もいない部屋でじっとしていると急に眠気が襲ってきた。
シキが出発してから何かと忙しく、アキラの睡眠時間は3時間程度だった。

一度目を閉じてしまうと再び開くのが億劫になり、ものの数分経つか経たないかで眠ってしまったのだ………




***
15時になり、門の辺りが急に騒がしくなった。
シキが帰ってきたのだ。


「おかえりなさいませ、総帥。」

「…アキラはどうした」

「…執務室で書類の整理をされているかと…。」

「出迎えも無し…か。」


大層気分を害した様子で城に入る。


シキは執務室のドアの前で止まった。
中からは何の音も聞こえない。本当にアキラがここにいるのだろうか?

ドアを開け、中に入るとすぐに灰緑色の髪が目に入った。
アキラはすやすやと安らかな表情で眠っていたのだった。

「…全く…何をしているかと思えば…」

そう言いながら、頭を撫でてやる。
自分の髪が顔に当たり、擽ったそうに頭を振るアキラ。
頭に持っていっていた手を頬に伸ばすと、シキの手が冷たかったのか、一瞬顔をしかめたかと思うと、青の瞳がぼんやりと手の主を見た。


「…そ…すぃ…」

「主の出迎えにも来ないのか貴様は。俺はそんなふうに教えた覚えはないがな」

シキの声を聞いて一気に意識が覚醒する。バタンと勢いよく立ち上がると、深々と頭を下げた。


「すみませんでした!」

「貴様は俺よりも睡眠のほうが大事だったというわけか…」

「ち、違います!!俺は貴方が一番……」


口が滑ったとばかりに口ごもる。


「まぁいい。そのかわりどのように償うかが聞きたい。」

「…償い……」


アキラに何を言わせたいのかが解り、顔を赤くする。

「……俺を…お好きなように抱いてくだ…さい…」

「…それで許してやろう。まず自分で服を脱げ。」


言われたとおりにアキラは乱れなく着こなされた軍服のネクタイを解きボタンを外す。
現わになった白い肌に吸い付くと、真っ赤な花が散った。

「立ったままというのもいいがそれだと身体に負担になるだろう?」

そう言うとシキはアキラの身体を横抱きにしてシキの寝室の大きなベットに移動させた。

直ぐさまアキラの上にのしかかるように体重をかけ、片手でアキラの両腕を一つに纏めた。
もう片方の手をアキラの下股に這わせるとピクッと身体が反応した。


「…まったく貴様は…触れただけでここをこんなにして…」

素早く下着ごとズボンを剥ぎ取り、反応し始めた雄に指を絡める。


「…っあ…ゃっ…」

軽く上下に扱かれれば塞ぐことのできない口から猥らな声があがる。

徐々に高みに昇らされていくアキラだったが、不意にシキの手が止まる


「…総帥…どうされましたか……?」

「貴様ばかりがいい思いをするのが嫌になった。俺のも奉仕しろ。」

そう言うとシキ自身のものを出した。
アキラはシキの雄を躊躇うことなく口に含んだ。


「…ん…ふっ…っ」


咥内で質量が増していくのを感じる。
含みきれない部分は手を使って奉仕する。
裏筋の部分をなぞるように舐めると、一瞬シキの苦しそうな吐息が聞こえた。自分によってシキが感じてくれているとわかり、夢中になって奉仕する。

「…もういい。」

シキはアキラの咥内にある雄を抜くと、強引にアキラを四つん這いにさせる。


「…ぁあっ!!!」


慣らされていない蕾にシキの誇張した雄が捩込まれる。
生理的な涙が流れるが、必死に受け入れようとする。


「…アキラ…」


普段は決してアキラの前では口にしない言葉を言う。一対一で名前を言ってもらえたのはいつ以来だろうか。


それと同時にシキは動き始めた。
突き上げられる毎に嬌声があがる。


「…あっ…はぁっ…んっ…」


律動を早められ我慢出来なくなり先走りがシーツに染みを作る。

後ろからアキラの雄を掴まれ緩急をつけて扱かれればシキの手の中で欲が弾けた。

その締め付けにより、シキもアキラの中に熱を注いだのだった。





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