Disapper tear

 守りたいのは誰か






モリュウ城内部に侵入した一行はすぐに牢屋を見つけた。
しかしそこにモリュウ領領主のフェイト・モリュウはおらず、代わりに美しい女性が座っている。


「ようリアーナ、元気にしてたか?」
「ジョニー!?」
つい先程パーティーメンバーに加わったジョニーが、片目を瞑って笑った。それを見た女性――リアーナは驚きと安心の入り混じった表情で彼を見つめる。
そしてジョニーの後ろに控える一行を見て、再び表情を硬くした。


「無事だったかい?」
「ええ。ジョニー、この人たちは…?」

(フェイト、という人物らしき者はいない……。)
おそらく他の牢屋に閉じ込められているのだろう。

「……?」
カノンがそう結論付けると、同時にばっちりと牢の中のリアーナと目が合った。
彼女の表情は硬く、本来美しい女性なのだろうに不安に駆られて震えている。

「俺の仲間たちだ。」
大丈夫ですよ、そういう意味を込めて微笑むとジョニーも頷いてくれた。
それによって緊張も解けたのか、リアーナは疲れたような顔で微笑む。


「どうかあの人を…よろしくお願いします。」

それに全員がしっかり頷いて、バティスタのいるという玉座の間へ向かうことになった。
 


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