Disapper tear

 お約束









シデン領でグレバムがモリュウ領にいるという情報を得た一行は、シデン領を出た。
モリュウ領とはシデン領と同じく、アクアヴェイルの一角を担う街の名前だ。そこまで行くのには港から船を出してもらうのが必要だったが、港が封鎖されているという。

しかし港の漁師に話を聞けば、モリュウ領まで行くための抜け道が存在するという。その抜け道とは海底洞窟であった。




「ここが海底洞窟の入り口だな。」
入り口に足を踏み込むなり、スタンが周りを見渡す。


「地盤の脆い所が多いそうですから、気をつけて進まないといけませんね。凶悪なモンスターにも、注意しないと。」
「ん? ……うわぁっ!!」
びたーん。
フィリアの言葉に全員が頷いたが、スタンが何かに躓いたらしく、盛大な音を立てて転んだ。


「見てよ、モンスターだ。」
「どうやらスタンの血の匂いに寄って来たみたいだね。」
「冷静なことだな。」
アリアが示す先を見れば、大量のモンスターがこちらに向かっている。言いながら前線へと出たカノンとリオンは手近なモンスターを切り裂いた。



「スタン! しっかりしなさいよ!! ヒール!」
「いきますわ! フレアトルネード!!」
「猛襲剣!!」
ルーティの回復術とフィリアの晶術が同時に放たれる。スタンの傷は癒え、もぞもぞと動いていたモンスターは絶命した。
すかさずマリーが出ていくと、空を飛んでいた蝙蝠のようなモンスターを仕留める。



(残りは二匹!!)
「相棒っ! 頼んだ!!」
「任せて。──飛来するは冷たき刃…」
言うなり前に出るアリアに合わせ、カノンも詠唱を始めた。
アリアは襲い来る二匹の内一匹に蹴りを、もう片方に斬撃を喰らわす。二匹が吹っ飛ばされたと同時にカノンが詠唱が終わらせた。


「アリア、」
「おっけ!」
「──フリーズランサー!」
アリアが後衛まで下がると絶妙のタイミングで氷の槍が放たれる。
すべてのモンスターが絶命し、立ち上がったアリアは笑った。



「さ! 行くかっ!!」




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