leprotto

■ 最強の敵は我らがボス!
現在、和泉は困惑しきっていた。


「え、と……すみません、」
ボンゴレ日本支部にいる守護者たちに、散々止められた理由はこれなのだろうか。
目の前にいる少年を見上げるが、彼は相変わらず分かりにくい表情でただじっと和泉を見下ろした。


「はいー。なんでしょう?」
「その……退いていただけないでしょうか…?」
「えー、嫌ですよー。」
無表情で、ぶーと唇を尖らせた少年。よく見れば小さくだが、むくれているようだ。
和泉は柳眉を垂らして、自身に覆い被さっている少年を見上げた。


少年の仕事は終わったらしいが、和泉の報告書はまだ書き上がっていない。
早く書いて提出しなければ、和泉も銀髪の男のように机の角に叩き付けられて鼻血を出すはめになるだろう。

それだけは避けたいのだが、目の前の少年は退いてくれる気はないらしく和泉の目をじっと見つめてくるだけだ。


「お願いです、フランさん…!」
「……。」
少年――フランは虫が鳴くような和泉の声を聞いて、黙り込んでしまう。


「嫌ですー…」
和泉の髪をそっと一房掬い上げ、口元まで運んだ。



「フラン、さん…?」
「…年下はお嫌いですかー?」
「え、と、あの……」
「ミーは年上の方が好みですー。」
「そういう問題じゃ……ち、近いですフランさん!」
「んー…特にミー、和泉さんみたいな若々しい年上がいいですー。」
「近いどころじゃ……ふ、フランさん、は、なれてっ!!」
会話しつつも距離が縮まっていることに気付いた和泉はフランを押し退けようとするが、彼はぴっとりと和泉に密着する。


「フランさん、私報告書が……!」
「…ミー、堕王子に刺されちゃいましたー。癒しが欲しいんですー。」
「え、い…癒し……?」
「癒してくださいー、和泉さんー。」
すり寄るフランを剥がす訳にもいかず、和泉はされるがまま(フランは子供だが、和泉は大人なのだ)。

「……分かりました。でも、書類は書かせて下さいね…?」
「じゃあずっとくっついてますー。」
「そ、それも少し困ります…。」



prev / next

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -