leprotto

■ 最強の敵は我らがボス!



「あー―――っ!」
いきなりの大声に、書類を書いていた和泉はびくりと肩を揺らした。
声が聞こえてきたドアの前には、遊びに来たのであろう金髪の青年が立っていた。


「ベルフェゴールさん…」
「ウソでしょ……ねぇ姫、なんでそんなカエルに膝枕してんの?」
「え、と……」
ベルフェゴールは和泉の膝の上ですやすやと寝息を立てるフランを指差す。

「姫、オレにはやってくんないのにさ。カエルだけずるい。」
「すみません……こうでもしないと報告書が書けなかったので…」
「そんなのレヴィかセンパイに任せればいいじゃん。」
「そういう訳にもいかないです…。」
和泉が苦笑したのを見て、ベルフェゴールがぶすっと頬を膨らませる。
そして和泉の座っている隣に腰掛け、和泉にぴったりと密着した。

が、肩と腰に回された手はぺちりと払われ、ベルフェゴールは殺気を放つ。


「……このガキ…。」
「ミーの癒しタイムを邪魔しないで下さいー。」
「どっちが邪魔してんだよ、このカエル。」
「ベルセンパイ。」
「…殺す。」
「お、穏便にしましょう…?」
リングに炎を灯し匣を取り出したベルフェゴールを見て、和泉は慌てて彼の手を押さえた。

左右がこれでは和泉の報告書が出来るのは、時間がかかるだろう。
携帯電話を取り出して、ルッスーリアの番号に電話をかける。


「…もしもし……」
「カエル、お前なんで姫にくっつくんだよ。」
『どうしたの、和泉ちゃん?ボス、怒ってるわよー。』
「それはミーの台詞でーす。センパイこそ離れたらどうですかー?」
「怒ってる…。そう、ですよね……」
「じょーだん。王子が姫から離れるワケないじゃん。」
『さっきスクアーロが耳に海老天を突っ込まれたわぁ。』
「うわ、愛情の押し売り。センパイ、押し売り王子に名前変えたらどうですかー?」
「あの…ですね、そこにXANXUSさんいらっしゃいますか…?」
「殺す。」
『いるわよー。代わる?それとも聞かれたらまずいのかしら?』
「受けて立ちますよー、堕王子。」
「ルッスーリアさん、助けて下さい……報告書が…」
「うわ、お前即死決定。」
『報告書?……あぁ、昨日の任務のやつね。どうしたの?』
「そろそろナイフ抜いてもいいですか?」
「報告書が、書けません……」
「うっわ、まだ刺しっぱなしだったのかよ。」


『……え?』



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