leprotto

■ 白む頬

「んー……。」
「お、お前が自分で起きるのは珍しいな。」
「リボーン……?あれ?」

綱吉ははっとして時計を見る。時間はまだ七時だった。
眠い目を擦りながら、綱吉は起き上がる。

「骸は……?」
「まだ寝ぼけてやがんのか。骸の事件はもう一週間も前に片付いただろうが。分かったらとっとと着替えろ。」

ママンがメシ作ってるぞ、と言い残し、リボーンはイーピンと共に階下へ降りていった。



「……どこからが、夢なんだ…?」

綱吉は頭をかきながら、首を傾げる。


(しかも俺、夢の中であの子の髪の毛触ってなかった!?)

触った感覚は自分のものよりも柔らかくて、つるつるとしていて、さらさらしていて、いい匂いもして……


「じゃなくて!!これじゃあ俺、ただの変態じゃん!」
しかし、あの場面は動物の人が和泉に触るなと叫んだところが入っていない。

ではあれは綱吉の夢――つまり欲求ということなのだろうか?


「………綺麗だったなぁ…。……は!!何言ってんの俺!!」

顔を真っ赤にした綱吉は、自分の髪をぐちゃぐちゃとかき回した。



「もー考えんのおしまい!!メシ食いにいこっと。」


階段を駆け降りた綱吉はまだ知らない。
近い将来、また夢の中の少女と再会することを。
そして、嵐が彼に迫っているという事を。



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