グレル
- 月山家に遊びに行った翌日
20区に新たな本局捜査官がやってきた
俺がやってきてまもないが俺の配属が早まったのは真戸さんのパートナーだった亜門のフォローに回るためだ
パートナーと親密になるのは早ければ早いほどいいだろう。そういうことだ
そして今回やってきた本局の上位捜査官は篠原特等と法寺准特等とそのパートナーの二人
どちらも真戸さんのパートナーを務めたことがありクインケの扱いは階級に見合うベテランだ
まぁ、篠原さんのパートナーのジュウゾーがいないのは仕方ないから置いておき法寺さんのパートナーである滝澤二等を含めた5名で話をこれからの話を始めることとなった
「11区配置の本局捜査官が「全滅した」と聞いています…」
そう、亜門がいうように11区の本局捜査官が全滅し11区支部は戦うことが不可能な状態で追加派遣をしたがやはりそれでも区民の安全を守るのも大変、そういう状態になっている
更に11区を中心に9.10.12区でも捜査官殺しが始まり11区の二の舞になるのを防ぐために本局捜査官を各区に多数投入されているのが現状だ
「…しかし、何故。20区が指定危険区域とされていたんです？捕食件数は他の区より低めですが…」
「個体評価だろうね。"美食家"もだけど、まだ処理してないSレート越えの"大喰い"がいる。20区には単体で危険な奴が多いってことだよ。最近現れた"ラビット"とやらもいるけどな」
「そう仁の言う通りだ。そしてさらに追加するならSSレートの"グレル"がいるって情報もある」
「グレル……ですか」
「そうだ。ここ10年ほど大きな活動は見られないが赫子がいくつが20区で見つかっている」
「す、すいません。グレルって…どんな喰種なんですか……」
「そうか、滝澤は若いからわかんないか」
「グレル…今から14年前ほどに姿が確認された喰種で生き残った捜査官の報告により初回からA〜レートに認定。その時の学ランを着用していたことから学生であるとされる。その後も単独で上位捜査官を殺して行ったことからレートがS→SSへと格上げ、しかし、当時から考えても学生という発展途上の段階からあくまで暫定SSレートという位置付け。しかし今から10年前から目立った争いが少なくなり8年前には姿を表すことがなくなり時々見受けられる赫子痕から生存を確認されるのみ…ってのグレルだよ」
「よく覚えてるな仁」
「現れた当時、俺中坊でしたからね？あんな騒ぎあったら嫌でも覚えますよ。連日ニュースになってたじゃないすかー」
このグレルってのは俺のこと
あん時は若かったからな…捜査官全員大っ嫌いだったからな
なのに今は真逆の職についている…人生ってのは何があるかわかんないねぇ…だから人生は面白い…いや俺人じゃないけどね笑
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