月山家


CCG本局から危険指定地区に本局のベテラン捜査官が導入される
その危険指定地区にはこの20区もはいるんだが…


まぁ、今は正直ぶっちゃけひっまだろうな
なんていったってこの前【美食家】は【ラビット】にやられてるし、【大喰い】はとっくの昔にやられている

巡回に回ってもそうそうAランク以上の喰種なんか出てこない
そして、今日は我が九社前班はオフの日だ
いやー、流石にさオフの日ないとこんな仕事やっとられんて
有給はキチッと使う派でっす!
てか、国家公務員なんだから使えなかったらもう殴り込みにいくわ
国が有給とらせんでどこがとるねん!!っていうね笑

そして、そんなオフの日に向かったのが……

「ボロボロな月山で見てこようかねぇ」

月山の屋敷の前に立った俺はすぐに月山の部屋の窓に飛びうつり窓をぶち壊して部屋に進入した

「ハロー、月山。元気にして…るわけないか」
「…き…みか」
「なに?そんなに再生が遅くなるくらいにボロボロかよ。大変だな笑」

俺を見つめるボロボロな月山の目は捕食の目をしていた
それもそのはず、この俺の匂いは喰種の食欲をそそるようだ
まぁ、自分ではよくわからないがな

俺はクスッと笑い月山のベッドの横にある椅子へと腰をかける

「月山…食べせさせてやろうか?俺の血肉を………って!」

そう言葉を発した瞬間なは目をギラギラさせた月山が俺を椅子から突き落とした
椅子の角にふくらはぎを強打して地味にいてぇ…
そんな事を考えるのも束の間
目の前にはハァ…ハァ…と息を荒げている月山が覆いかぶさっている

「なーに遠慮してんだよ…。さっさと喰えよ。前にもあっただろうが、こんな事はよ」

そう言って俺は月山の後頭部を掴み自身の首筋に押し付けた
まだ、コイツはためらっているようだが喰いたいならさっさと喰って欲しい
上にコイツ乗るとか気持ち悪いし重いし
まぁ、誘ったのは俺なんだけどよ

「さっさと、喰えって。喰わねぇなら帰るぞ」

そう言うと、覚悟を決めたのか月山は勢いよく俺の首筋にかぶりついた

「っ……てぇ」

じわじわと抉られていくのは不愉快だ
そういえば、この昔ボロボロのアヤト君見かけてコレしたら

『ドMかよ』

って言われたなぁ
ドMではないとは言ったけど信じてくれたのかねぇ笑
自分のテリトリーに入れた奴にはとことん優しくするのは俺の癖なんだよなぁ

だからこそ、俺は喰種もCCGも裏切れない
自分がとんだほっそい綱を渡っているかは理解している
怪我をした瞬間に俺への目は疑いの目にあわされることだろう

その時、俺は赫子をだし彼らに向けられるのか
きっと、テリトリー外の奴には手を出せるだろう
でも、丸手さんは?篠原さんは?亜門は?彼らを殺すことはできるのか?
殺さない道があるならきっとソレを使う
でも無かったら……






まぁ、今考えても答えはでない…か

「月山そろそろいいだろ」
「……あぁ」

ゆっくりと起き上がる月山
左肩を見れば噛みちぎられ骨が見えそうなくらいだ
だが、それも直に回復するだろう

「俺のニクのお味はどうだった?」
「………素晴らしかったよ。流石だ」
「じゃあ、寝とけ。カナエも心配してっぞ。あと、堀ちゃんも」

布団に戻った月山を見ればすぐに寝入っていた
お早いこって

「九社前様」
「お、カナエじゃん。どしたよ?」
「お食事の用意が整いましたので、是非」
「え、何々食事用意してくれたんだ。ありがと」

部屋に入ってきたのはカナエだった
ドイツの喰種一族であるロゼヴァルト家の生き残り
まぁ、言うなれば和修政が仕留め損ねた子だ
今は月山命!な月山の使用人だけど
そんなカナエは鼻にハンカチを当てている

その様子に俺はクスリと笑う

「ごめんごめん。匂いきついだろう。早く治れはいいんだけど」
「いえ……」
「案内、お願いするよ」
「かしこまりました」







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