6
小さい頃、憧れてた
絵本の王子様のようなキラキラな金色の髪に青い瞳
ちょっと口も態度も悪いけどホントは優しくて
そんな画面の中の彼に魅入ってた
その彼が、白金が、今目の前にいる───
「し、ろがね…」
顔が…すごく良い。
憧れの王子様と至近距離にいる感動で思わず零れた彼の名前。
その音を拾った白金の目が僅かに見開かれ、腰に回されてる腕に力がこもる。
「!…おまえ」
「…(やっば、つい…)」
白金は何かを探る様に、また名前は今の失言に内心冷や汗を掻きながらしばらく無言で見つめ合ったあと、白金がしぶしぶというにふと目線をそらした。
「…まあいい。おれの名は白金稜、時間がないから説明はあとだ。──あれを
たおせ」
キメラアニマを横目で見た後、また名前を見る白金だが、すぐ新たな一撃が2人に襲いかかってくる。
「わあ!!」
白金は名前を抱きかかえるようにして別の木に飛び移ることでそれを難なくかわし、初めて空中を移動する恐怖で密着している名前にニヒルな笑みを浮べながら見た目より重いな、と言った。
初対面で失礼な、しかも若干気にしていた事を言われ、だんだんと顔が赤く染まっていく。
「はなしてっ!」
「あ、こらばか、暴れんな!」
思わず白金を突き飛ばすと、反動で自分が木から落ちてしまった。
幸い、イリオモテヤマネコの能力のおかけですんなり着地できた。よかった、イリオモテヤマネコ様万歳だ…
「桃宮名前!お前は特別なんだ───受け取れ!ミュウナマエ!」
そう叫んだ白金が金に光り輝いている何かを投げ、私はそれをしっかり受け取った。
その途端、何かが湧き上がってくる。
心の底から──言葉が…!
「ミュウミュウストロベリー!メタモルフォーゼ!!」
(変身)
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