夜の校舎を練り歩く

『…体が、大きくなっている…?』


私は帰り道、二匹の背で寝てしまったらしい。
気が付けば部屋の中で、二匹に暖められていた。

しかし寝る前と違い、体が中学生に戻っていた。

『えぇ…昨日のは夢…なわけないか』


背中にある傷が疼いた。


『…私、昨日変化してたよね…あれは一体…それに、奴良家の塀にいたのは…』


そのとき目についたある封筒。

中は家系図の様だった。

一番下に、よく知った名前が。


『…私…?…私、人間の血が1/2、妖弧の血が1/4、白夜叉の血が1/4…あれ?私の名前の上に文字が……"白狐"?まさか…












私、クォーターなの?
正確には妖怪と人間のハーフだけど…え、なにこれ』


信じられない。
まさか昨日の姿が私の覚醒した姿だと言うのか。


『リクオみたいに、夜しか変化できないっぽいな…』


私は鞄の中の住民票を改めてみた。
するとそこには、"浮世絵中、入学。"と書いてあった。


『…まさか…』


私は顔面蒼白だった。
まさかリクオと同じ学校に行くはめになるとは…カナちゃんとリクオが仲良いのを見ると胸が痛むと言うのに…。


『しかも明日…』


私は頭痛を覚えた。

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