どうかしてるよおまけ | ナノ

(ファミレスにて)


「松川は優しいな」
「なんで?」

 ドリンクバーで怪しげな飲み物を作って、しれっとした顔で飲んでいた花巻が、急にそんなことをつぶやいた。なんの話だろう。

「うーん、だって、手伝ってあげてるからさ」
「あいつらのこと?」

 そう、とストローでくるくると得体の知れないものを混ぜながら、花巻は頷いた。

「……別に。自分にとって損のない範囲内で動いて相手に得があることなら、やるよ」
「それを、優しいって言ってるんだよ」
「……花巻だって、人の恋路をよく手伝ってるだろ」
「あはは、そんなことねーし。それにオレは、見返りをちゃーんと求めてるからね。松川みたいにお人好しじゃねぇの」
「ふぅん?」
「そう、だから、松川にもちゃーんと見返りを求めてるんだよ」
「マジで? なんの話?」
 思い当たる節がなくて、少し焦る。にやにやしながら花巻は人差し指を演技がかった仕草で口元に当てた。

「ないしょ」



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