01 中学最後の日というのは意外と呆気なく終わり、卒業証書も案外簡単に手に入った。友達との別れが涙をそそるが私は結局その日一度もそれを流すことはなかった。 別に友達付き合いもなかったわけではなく、この後結局は連絡も取らなくなり、そのまま自然消滅していくと予言していたからだ。人は誰でもそうだ。時が経てば忘れてしまう。今泣きあってる人達も私も。どこかしらにはいるけど近くには居なくなるそうなるんだ。そんな関係しか築くことができない。小学校の時もそうだ。結局何年も経ってしまえば、昔の人になる。そうサイクルが働いていく。 あの子も、その子も。みんなみんな。 「さよなら。」 幼稚園の頃、よく遊んだ男の子がいた。背は私の方が大きくて、男勝りな私よりもスカートが似合いそうなほど可愛い男の子だった。ちなみに彼がお母さん役で私がお父さん役をしておままごとしたのはちょっとだけ覚えてる。 しかし父親の転勤で私は引っ越すことになり、彼とは別々の小学校へ行くことになった。彼は私が引っ越す時に私の手を取り、さよならの代わりに「またね。」と言った。もう会えもしないのに、何故か私にまたねと、二度目があるみたいに言っていた。 それから今日に至るまで一度も再会なんてものはしていない。それに彼も私ももう十五になる。あれから十年、きっと忘れられているに決まってる。またねって言ったのは引っ越しと言う言葉を理解していなかったからだ。きっとそう。 「人間ってそういうもん。この高校だってそう。」 「あ、おかえりなさい、あなた。」 「?」 後ろから声が聞こえて、急に肩を叩かれるのと同時にあなたと呼ばれて、何事?とか思い振り向くとそっくりそのまま、いや、身長はいつの間にか越されているけれども、確かに彼がそこにいた。 運命の人じゃなくて必然の人 (ご飯にする?お風呂にする?) (え?) (それとも俺?) (え、え、ええ!?) (ぶっ何その面食らった顔!!プハハハハハハハッ) ────────────── 高尾氏難しい。 お疲れ様でした。 三万hit 高尾 和成 一つ目 終わり。 → back |