02 「うーどうしたらいいと思う?ね、聞いてる?和成!」 その女は頭を抱え、ちょっとロッカーに荷物を取りに行っていた俺の席に堂々と座り、俺の名前を呼ぶ。 「名前。邪魔。」 そうモロに悪口を言うが全く動じない。むしろそれが何か?って感じだ。 この女とは中学からの付き合いで腐れ縁だ。それこそ中学時代は友人を助けたり、先生を怒らすようなことまで一緒にやった仲だ。そんなコイツも色気づいて、最近好きな人が出来たらしく、詳しく聞くと相手はあのお硬いしんちゃんだった。面白そうだし、コイツにゃ借りがあったから、最初は協力してたのよ?これでも。 けど、だんだんとしんちゃんの話聞いてくうちにムカムカしてきちゃったわけよ。わかる?これなんかフラグみたいじゃね?それにこれ以上しんちゃんの話アイツの口から出てくるのが我慢ならなくなったわけ。そんで、俺も相談されるもんなら無視をしようと続けてたら、俺の席陣取りやがったってわけですよ。あぁ邪魔。 「で、どう思う?」 「どう思うって、さっきまでロッカーに資料集取りに行ってた人間にいきなりなんのことだかさっぱりだね。」 「あんた昨日からなんなの?」 「何が?」 「何が?って昨日だって相談してんのに聞いてなかったし、今日なんかずっと知らんぷりしてんじゃない!」 「へ?相談?なんのことだよ。」 「とぼけないでよ!あんたから相談乗ってやるって言ったんじゃん!どうしたらいいか分からないから、緑間君と親しいあんたに聞いてるのに!それに男の子に好きとか言ったことないし、それにきっとバスケ大事だから、迷惑なんじゃないか。って考えちゃうのに和成にまで無視されて…ふざけないでよ!私何かした?こんな気持ち悪いの、嫌よ!恋とか、分からないの!もう、どうしたらいいのよ!!」 そこだよ。そこ。男なんて知らないのに、いきなり女になって俺を揺さぶる。なんだよ、辛いのはこっちだ。なんでお前はしんちゃん選ぶんだよ。ふざけてるのはお前だろ。一番長くいて一番お前のこと分かってやれるのに、なんでしんちゃんなんだよ。なんで俺じゃないんだよ。俺も俺だよ、なんで今まできづかねーんだよ。馬鹿だろ。どうしたらいい?そんなに悩むなら、 「はぁ~。分かったいい方法教えてやるよ。」 「いい方法?そんなのあるの?教えて!」 「くださいだろ。」 「教えてください、和成様!」 「苦しゅうない。じゃあ特別にだぞ。 ─── 。」 「!?」 突然近づき、耳元で言った俺の言葉を聞いて、俺のことを瞬時にパッ見て顔を真っ赤なゆでたこみたいにさせたコイツを俺は忘れない。 上手な恋の終わらせ方 (俺に恋すればいいんだよ。) (そしたら恋じゃなくて愛にかえてやるから) (な?いい方法だろ?) ───────── あとがき。 背伸びをしてみました。 目当ての本には手が届きませんでした。 そんな時のような高尾君を書いてみました。 やっぱり目当てのモノにはなりませんでした。 けど私はこういう高尾君、好きです。 3万hit、高尾 和成、二つ目、終わり。 ← → back |