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私には好きな人がいる。その人は私の仕事先のモデルで名前を黄瀬涼太と言う。そう、私はあのキセリョのことがloveの方で好きである。結構本気の恋だったりします。本当カメラマン失格です。

涼太君は、

「苗字さん、今日はどうでしたか?かっこよかったっスか?」

「うん、黄瀬君、イケてたよ!!」

とまぁ、こんな感じに本人がいる前では黄瀬君なんて呼んでるけど、心の中では涼太君って下の名前で呼んでたりします。ちょっとだけ憧れなんです。今年で27だったりします。一回り違いという壁がたちはだかっています。

そんなこんなで脈なしなのは分かりきってることなんですがなんせフレームごしに伝わる華やかな彼がいて。もう、かっこいいんですよ。あれは狡いです。
もともと私は年下の男性とはお付き合いしたこともなく、この業界入っても男気もなく、しまいには去年もそのまた前の年もクリスマスは一人で過ごしましたよ。その前の前の年は友達と過ごしました。ええ。なので、毎年メリーヒトリミデースってね。

もうそろそろ浮いてられない!って矢先に年下、しかも一回りも違う男の子とのお仕事がきた。最初は無理だって思った。ジェネレーションギャップありすぎる。モロに七つの球を集めたら願いが叶うって思ってた時代の人間よ?心が汚れてなかったら空飛ぶ雲に乗れると思ってた時代の人間よ?もっといえば某アニメみたいに輪ゴムで攻撃してよく先生に怒られた時代よ!そんなやつがテクマクママコンしても到底釣り合うわけないじゃない。

12歳も違うという壁は乗り越えていいもんじゃないです。

そんな中彼はスクープを、撮られた。
見出しは「キセリョ、夜の密会デート?」
そこにはでかでかと涼太君とお胸が大きい涼太君と同じくらいの女の子が写っていた。ああ、涼太君にはお似合いな女の子だなって思った。私ここまで胸大きくないし、可愛くないし。やっぱり、27歳の私が恋していい人じゃないとも悟った。だから、こんなんでいちいち落ち込むな、私の心!と言い聞かせて今日も仕事に出た。


「苗字さんっ!!この記事のこと違うっスからねっ!この子は俺の中学の時のバスケ部のマネージャーで、相談乗ってもらってたんスっ!!」


仕事の準備をするべく早めにスタジオに入って支度をする。すると、メイクも着替えもしないまま、言っちゃえば高校の制服のまま、息を切らして私に今朝のゴシップ記事を目の前に見せて、その面をバシバシ叩きながら何故か私に言う。

「わっわかった!分かったから、落ち着いて。深呼吸〜スーハースーハー。その記事のことは気にしてないから、ほら、仕事仕事!!さっさと着替えてきてください!涼太君!!」


「はー…ああああ!?今…涼太君って…」

「あっわわわわ!!いや、その、これは間違えたっていうか、それにこんなおばさんに呼ばれるの嫌だよねっ。ごめ「嫌じゃないっス!!」えっ?」

「嫌じゃないっス!!だから、これからも名前で呼んでくださいっス!!」

「えっいいの?」

「はいっス。その代わり俺も名前さんって呼んでもいいっスか?」


なんで彼は名前呼びにしたのが嫌じゃなかったのかなんて知らない。親しくなろうとしたのかなって今ではもうどうでもいいこと。今日も彼は私にファインダー越しに愛くるしい笑顔を見せるのであった。



フレームの中の世界
(で、きーちゃんその後どうなった??)
(名前で呼んでもらえることになったっス!!)
(やったじゃん!きーちゃん!!年の差だけど頑張ってね!!私応援してる!)
(はいっス!!)



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いつもバスケ部とか学校関係者が多かったので、モデルのキセリョと関係がある人との恋愛を書いてみたかったのですが、いや、はや、難しいですね。

何が難しいって主人公さんがどうしたら27歳の風格が出るかどうかが難しかったです。私が思う27歳はドラゴ○ボール世代だと。あとは幽☆○☆白書とか。なんかそんな世代ですかね。違うな。テクマクママコンはちょっと某アニメよりお借りしました。最初テクマクマザコンにしようか迷ったのですが、誰がマザコンなのかアレなので、ママコンにさせていただきました。


それにしても、キセリョ難しかったです。でも必死にゴシップを好きな人に間違いであるということを言うキセリョ好きです。

お疲れ様でした。

三万hit 黄瀬 涼太 一つ目 終わり。



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