俺が見るものは(フリポプ)
2013/12/24 00:37



「何を見てる…あんたの眼は。」


初めてだった。
ポップの奴から、そんな言葉を言われたのは。


いつもみたく酷く犯されてるっていうのに、いつもみたくボロボロ泣きやしなかった。


「てめーのひでー有様にきまってんだろ」
「…違う」
「あ?」


「あんたは何も見ていない…」


ポップは笑っているようにも見え、俺は無性にムカついた。


「てめぇ、ヤられながら殺られてぇの?」

サバイバルを胸に突き立ててやった。
なのに、奴は続ける。



「私は……息子をみている…」
「…あぁ?ハハ、バーカ。てめぇ忘れたのかよ。カワイイカワイイ息子さんはあんた自身が」
「…殺したよ…?だが、見てるんだ…」

ガキの姿でも思い浮かべてんのか、奴は幸せそうに笑った。
その顔は俺に更なる殺意を抱かせた。突き立てた刃に力を込める。ブツと肉が切れる音がし、赤い血と奴の苦痛の声が漏れた。

だが、まだ奴は


「………そう、か…あんたは…」
「黙れ。殺すぞ。黙れっ!」




「あんたには、見る相手がいないんだな」




―刹那、俺は奴をぶっ殺していた。
奴の腹から噴出する鮮血。

最高のシャワーのはずなのに、それは俺をイカせてくれなかった。


最期の言葉が、耳から離れなくて。




「…見る相手、だと?」


わからねぇことを言いやがって。
畜生。


「…………。」


…。畜生めが。





意味がわからねぇなら放っておけば良い。
なのに俺は何故か、気にして。



胸に、なにか気持ち悪い、重いものがのしかかった気分だった。



fin



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