ジョウト組(pksp)

例えば私達のうち誰か一人、欠けてしまったらどうなるんでしょうね。
そんな無意味な質問を彼等が嫌うことはとうに知りすぎているほど分かり切っていたから、聞きはしなかったけれど。純粋に興味はあった。なんとも言えない私達の関係は、ただ仲間であると形容するにはいくらか歪んでいるような気もする。
敬愛する先輩方とは少し違うんだと。特にこれと言った根拠はなくともそう思わされた。
私たちはいつでも三人一緒、三人組というわけではないから。そのイメージを強くもつこともなかった。行動理念も思想もバラバラ。なのになぜか「あってしまう」のは、どうしてなのかしら。

「おいクリス、さっさと行くぞ」
「お前は急ぎすぎだ。少し落ち着け」
「っんだよぉ!!そもそもおめーがちんたらしてるからだろ!!タウリナーΩの映画に付き合わされてるこっちの身にも」
「耳元で騒ぐな」

ああ、分からないなりに、きっとおそらくこの関係は。一人でも欠けていればなり得なかったのだと、つくづく思い知らされる。それは深く深く私の日常まで、引いては根幹に至るまで根付いていたから。

「もう、二人とも喧嘩しないの」
「「だってこいつが」」
「はいはい」
「……クリスも俺たちのあしらい方慣れてきたよな……」
「ああ……」
「そうさせたのあなたたちでしょ?」

きっとこれからも、この曖昧なラインが心地良い。変わることは望まない。熱すぎず冷めすぎず、この温い微妙な温度を出来れば留めていたいと思う。

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