[
2/
6]
いつもの生活。
いつもの、自分。
きっと変わらないまま、ずっと、続く。
『はよっ、神尾。』
「よっ、沙弥。今日は早いな?」
『ああ、今日は珍しく早く目が覚めたんだ。いっつも遅刻ぎりぎりなのにな』
「先生の怒鳴り声、聞かなくて済むな。」
通学路で神尾を見つけて、いつものように会話をする。
『あれ、深司じゃないか?』
もう一人、あたし達の前を歩いてる奴。
『おーい』
「・・・。」
「深司ー。」
「・・・、神尾か。」
「神尾か。ってなんだよ、目が死んでるぞ」
『あたしには何も言わないのか』伊武の酷い態度は何気に傷つく。いや、傷ついた。
「ああ、お前か。」
『酷くないか?』
「酷くない。―・・・早く来たお前が悪いんだし・・・」
『聞こえてますよー?』
「あーあ・・・朝からテンション高すぎ・・・静かにしてほしいよ。まったく・・・」
『聞こえてんだけど』「やめろよ二人とも・・・」
神尾が仲裁に入る。
これだって、いつもの事。中学に入学した時、ひょんなことからあたし達三人は仲良くなった。
時間はあっという間に過ぎ、 学校が見えてきた。
「じゃあ、俺ら部室行くから。」
『ああ、後でな。』
ゆっくり、時間は流れ
ゆっくりと、
僕をその時間から弾き出す。
「・・・、はあ・・・。」
「深司、素直になれよ」
「・・・神尾に言われたくない。」
prev/
next