2-1 | ナノ


※モブの女の子が出てきます。













「えー…平和島さん、イメチェン…なのかなぁ…?」
「元々背高くてモデルさんみたいだったけど…ますます格好良い…」
「…俺ら完璧負けた…」


臨也が校門を潜った頃、丁度校舎へ入る処の静緒の後姿が見えた。
その後姿が昨日までと違う事に臨也は微かに頭痛を覚える。
加えて、通り過ぎていった静緒見ての周りの人間の反応にも…頭痛が悪化した。





―俺、女の子らしくするの止める―




そう宣言しながら長かった髪を無造作に切り落とす処を見付けた臨也。
歪になった髪を持ち前の器用さで何とか見れる形に切り揃えたのは自分だ。
女の子の象徴でもあるスカートは臨也が見つける迄に切り刻んで焼却炉に放り込んでおり、どうするのかと思っていたら近所のOBである男性から弟用にと貰っていた男子用の制服を身に付けていた。元々来神学園は制服着用必須の学校では無いので女子が男子の制服を着て来た処で文句も言われない。


元々整った顔立ちをしていた静緒は見事男性の麗人へと変身を遂げ注目の的となっていた。





「静緒ーーーーーー!?
えぇえぇえ??
どうしたのさソレー…」
「んー…心機一転って奴?」
「どう心機一転したら女の子が男の子になるんだい…」


教室に入ってくるなり静緒見つけて驚きまくる新羅にクスリと笑った静緒はコトンと首を傾げて疑問系で答える。
そんな姿に呆れながらも、うんと新羅は頷く。


「でも…確かに。何だか今迄よりも溌剌としている様な気もするなぁ…」
「だろー?俺も何かスッキリした気がするんだ。
やっぱり俺みたいなのが“女の子”してるのが可笑しかったんだな」
「そんなことな…」


「本当良く似合ってるよ。
似合ってるって言うか凄く自然だよ。
シズちゃん、生まれてくる時お母さんのお腹の中にチ○コ落としてきちゃったんじゃない?」


新羅が教室に入って来ても手にした文庫本を読み続けていた臨也が突然会話に入ってきてしかも失礼な事を言うので新羅は目を見開く。


「臨也、下品だ」
「おーそんな気もする」
「いや、静緒。怒る処だから」


臨也の失礼な物言いに納得してしまう静緒にも、そんな反応返す静緒に何とも言えない顔を見せる臨也にも違和感を感じた新羅は静緒がトイレで席を立ったスキに臨也へ詰め寄った。


「えーっと?折原くーん。静緒があーなったの、十中八九君の所為だろう…」
「やだなぁ新羅。尋ねてるっぽいのに断定してるじゃん」
「ふ ざ け な い」
「はい…多分、俺の…所為です」


意外とやる時はやる男 岸谷新羅。
迫力のある笑顔に圧された臨也は目を反らしながら昨日、自分が吐いた暴言がどうにかして静緒に伝わってしまいそれが原因で今みたいになっていると明言された訳では無いが元来嘘が下手な静緒の発言に、そうだとしか思えないと白状した。

それを聞く内に段々無表情なっていった新羅は、全てを聞き終わると深い深い溜息を吐いて臨也に拳骨を落とした。



「〜〜〜っ!?」
「馬鹿、阿呆、アンポンタン。最低だよ君。
幾ら本人が居なかったからって、言って良い事と悪い事の区別ぐらい着かないのかい?しかも結局聞かれちゃってるんだから世話無いね。眉目秀麗が聞いて呆れる。
あーあーこんな酷い男。な君に惚れる女の子達って本当見る目無い!本当最低だよ。
…セルティが静緒の事可愛がってるの知ってるよねぇ…?
夜道、背後には注意しなよ?」


物理的な痛みと絶対零度を纏った言葉の棘による精神的な痛みに若干涙目になっている臨也に、未だ白んだ目で新羅が鼻を鳴らすと同時に静緒が帰ってきて、二人の様子を見て首を傾げる。


気まずさからか目を反らす臨也に弁明をする気すら未だ無いのだと理解した新羅は助太刀をしてやる気も無く、「何でもないよ」と静緒に答えてやる。



「この格好だとさ、何か、女子便所と男子便所どっちに入るべきか迷っちまって…」
「いやいやいや、男子の格好はしてるけど、君は列記とした女の子だからね!?
まさかとは思うけど、男子の方になんて…」
「一応、どっちでもねぇ身障者用の使った」
「あぁ、もう、君って子は…」
「…」










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