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「あはは。シズちゃん?あの子、女の子って感じじゃないでしょー?」





授業と授業の間の短い休み時間、女子生徒に囲まれた臨也が放った言葉。



「髪長いしスカートはいてるから辛うじて女の子って思ってもらえるけど、背高いし、胸もぺったんこだし、女装してる男みたいでさぁ、全く魅力なんて無くない?」



臨也の口からスラスラ出てくる悪口にしか聞えない言葉に、周りの女子生徒も「そこまで言う?」と引き気味に聞いている。


この話の始まりは、女子生徒達が合コンの為に無駄に顔の広い臨也に他校の男子生徒を誘ってくれないかと頼んだのが切欠だった。


気軽に了承した臨也に一人が「お礼にアンタも来ていいからね〜」と軽く言い、別の女子が「駄目だよー。折原には静緒が居るじゃん」と言った。
その言葉にしても悪意があるからかいだった訳では無く、幼馴染の臨也と静雄は喧嘩をする癖に一旦手を組めば良いコンビになる為、本人達にとっては男女の差を越えたお互いに気の置けない友人として同じく幼馴染の新羅と共に良くつるんでいるつもりなのだが、新羅は既に彼女持ちの為実は臨也と静雄も付き合っているのだろうとは良くからかわれていた。


彼女達もそうやって軽く言ったのだが、臨也が変に反応してしまった。

幼馴染の少女とそんな噂を立てられた事に柄にも無く照れてしまったのかもしれない。だからこそ、自分達とは死角になった場所に偶々通り掛かった静緒が居た事には気付くことは無かった。

















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