ブログ | ナノ




やっぱり新セルシズが好きなんだな…
( 2010/10/11 14:40
)

新セル×静雄が凄く好き。

なので戒斗の小説内で新羅とセルティが出てきたら凄く静雄に過保護なんです。
何時か新セル×静雄を書いてみたいなー。



以下、中途半端な臨←静突発文。
多分続けば最終的に臨静?







窓ガラスの割れる高い音と共に窓の外へと落ちて行く友人の姿を見て新羅は声の限り叫んだ。


「静雄っっ!!!」


手を伸ばした処でどちらかと言えば非力な自分が落下する人間を引き上げれるとは思えないがそうせずにはいれなかった。
今迄の付き合いで静雄の体が並外れて頑丈な事は知って居る。トラックに轢かれても軽い擦り傷と打撲で済んだ彼だ、勢いが付いていたからといえ校舎の2階から落ちた程度じゃ命に別状は無いだろう。頭では解って居るがソレとコレ、心は別だ。


乗り出して窓の下を見れば丁度植え込みの上に顔を顰めている静雄が乗っかっていた。ほぅっと安堵の溜息を吐く新羅の後から聞こえる場違いな笑い声に何時でも柔和な面立ちの新羅が珍しくも鋭い目付きで後を振り返る。


「あっはは。相変わらず馬鹿だなぁシズちゃんは。
あんな簡単な挑発に乗っちゃうなんて。
しかもアレ、どう見ても擦り傷ぐらいしかしてないでしょ?頑丈過ぎ―本当、


化物だね」


今迄だって先輩や他校の不良を静雄にけしかけて喧嘩させていたのは臨也の仕業だと知って居る。その度に「君って本当反吐が出る存在だね」と言うものの、呆れこそすれ怒りを感じた事は無かった。
けれど何故だろう。
珍しく手が出た。


骨と骨のぶつかる音がして、驚いた臨也が若干赤くなった頬を押さえながら言葉も無く新羅を見ていた。



「いい加減にしなよ臨也」



そう言い捨て自分の鞄と、静雄の鞄を持って教室を出た。





***





『静雄!大丈夫なのか!?』
「ん、へー…き」
『全く平気じゃないだろう!私に凭れても良いから』


急ぎ足で静雄の落下した場所まで行くと意識はちゃんとあるものの、落下のショックからか植え込みに背を預けてボンヤリとしていた。
きっとそのまま歩かせても問題は無いのだろうが教室を出た後すぐに新羅はセルティへ連絡を入れていた。セルティも丁度仕事を終え来神の近くに居たらしく、新羅が静雄の傍に行くと同じぐらいに校門の方から馬が嘶いたような音が聞こえた。


『また臨也の奴なんだな!』


喧嘩を終えて、ズタボロのまま新羅の家に治療を求めてやってくる静雄の姿は見慣れているセルティだが、こうやって傷だらけの静雄を迎えに来たのは初めてだった。
しかも友達であっても別に過保護になるタイプでは無い新羅が態々迎えを頼んだのだから余計に心配になりセルティは原因を聞きだした。案の定、静雄をこんな目に合わしたのは臨也だと解り彼女の纏う影がブワリと怒りに膨れ上がった。


『無事…では無いな、小さな傷ですんだから良かったものの…』
「大丈夫だって、俺頑丈だから…化物、だから…」


人並み外れた怪力から、類稀なる頑丈さから、時折「怪物だ」と「化物だ」と恐れられる静雄。
静雄の天敵でもある臨也は人類全てを愛するという稀な性癖の持ち主で、「化物」であると静雄を恐れでそう呼ぶのでは無く、人では無いから愛せないと嘲り笑う。
何度も何度も、刻み込む様に告げられる「愛さない」。
自分で自分を「化物」と言い、悲しそうに微笑む静雄は天敵である臨也が好きだった。
天敵だし、それ以前に男同士だし。と本人も持て余して居る力の所為で人と関わるのに恐怖を抱いている友人は、人に好きだと伝える事すら恐いのだと言う。それは相手が同じ男で天敵相手で無くてもそうだと言うのだから臨也には余計に伝えられないんだろう。
端から告白を諦めているとはいえ、想いだけは胸に秘めている状態でその相手からの心無い言動に傷付かない筈が無い。
愛している者から冷たくされるのが酷く辛い事だと、セルティを愛している新羅にはその気持ちが甚く解るので静雄に対して酷い事を言ったりしたりする臨也に何となく腹が立ったのかもしれない。
だから殴ったのかもしれない。
臨也にしてみれば迷惑な話だが。

いや、でも、時にはアイツも懲らしめないとね。人として。

そうして静雄の肌に刺さった硝子の破片を一つ一つ丁寧に除去しながらも臨也を殴った事に対して自己完結した新羅はふとあるものの存在を思い出した。


「ねぇ静雄。僕に考えがあるんだけど…」
「?」






***





「は…今日はエイプリルフールじゃないよ新羅?そんなありえない嘘…」
―君が嘘だと思いたいならそうしなよ。
告別式は近親者でしか行わないらしいから、今日が静雄と会える最後の日だ。後悔しても知らないよ―


新羅のパンチは意外と威力が大きかったらしい。
微かに傷む頬を湿布の上から撫でながら何時もの様に人を食った様な態度で新羅の電話に出ていると、何時に無く真剣な声で告げられた


「静雄が死んだ」


思わず携帯を強く握り締め、微かにミシリと軋んだ音がする。

昨日、揶揄って怒らせて勢い良く自分を殴ろうとした静雄を誘導して教室の窓から落ちる様に仕向けた。
普通の人間相手ならばそんな直接的な事はしないが、死んで欲しいぐらい嫌っている相手で人並み外れた頑丈さを持っている静雄だから掠り傷ぐらいしか負わないだろう。そう思っていたからこそあんな事をしてきっと週明けにはその事で絡んでくるのだろうと、何時もの事だと思っていた。
けれど現実は新羅曰く本当に打ち所が悪いなりなんなり偶然が重なったのだろう。脳内の血管が破れた。その血が脳内を圧迫し死に至らしめたんだと。


「…信じるも信じないも別として、もし本当にシズちゃんが死んだからって、どうして俺が…アイツが死んだら清々するし、後悔なんて…」


夕日の朱に染まって行く空を見上げ、大きく舌打ちをした臨也は携帯をポケットに突っ込み走り出した。








「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -