自分で気づけよ

教室、HR。

俺の目下の悩みは、彼女が可愛すぎることである。俺たちの関係はクラス公認。

だからといって人前でイチャつくなんてことはしない。コイツの可愛いところは俺だけが見てれば良いし。


悩みその1。

「勝くん、ギュってして」

「ん」


自室でのこれが超絶クる。定期的なメンタルケアとしてハグはよくするけれど、不意に言われたら困る。

毎回真顔でそれを受け入れるけど……内心ヤベェ。


「ん〜……っふぅ〜」

「すぅー…………ハァ…」


首に絡む腕と左耳元にかかる息。細くも柔らかい四肢は俺好みでつい力が入る。首筋から香るフルーツのような甘い香り。いつも思わず匂いを嗅いじまう。


「んも…匂い嗅がないでよ」

「テメェも息吹きかけてんじゃねぇ」

「だって安心したら力抜けるんだもん」


だもんってなんだよ、だもんって。真顔でいたってコイツには俺の情けねけェ姿とか感情は丸分かりであるはずだ。

それでも彼氏としての威厳っつーか、守る側としての態度をとりたいと思う。


「…今日はちゅーしてくれないの?」


そんな態度なんて秒で崩れ落ちて、ドロドロにキスをするんだよな。



悩みその2。

他と距離が近い。特にデクと半分野郎。

俺という彼氏がいながらデクにベタベタさわるし、何かあればすーぐ「いずいずいずいず」うるさい。

そんで半分野郎はシオンに引っ付きすぎだ。演習のときも相性が良いからとかいう理由でシオンとよく話しているのを見かける。

相性が良いんじゃなくて、アイツが誰にでも合わせられる戦闘スタイルをとっているだけだっつーの!

最近では女子同士のスキンシップも激しい。なんで女っつーのはすぐに抱きつきやがるんだ。


「#環心#!」

「わっ、ビックリした。どーしたの?」

「んふふ〜この柔らかさが恋しくて〜」


よし、決めた。次の演習で黒目をぶっとばす。




悩みその3。

「だーめ」

「ンでだよ」

「ここどこだと思ってんのよ」


ガードが固い。部屋では甘えるくせに……いや、コイツから甘えてくるのはそんなにないけど。

教室で二人きりのとき触ろうとしても直ぐに手を払い除ける。俺の思考を視てるのか、単純にコイツが上手なだけか。たぶん両方。

男子高校生なんて性欲の塊なんだ。好きな奴が目の前にいて、触れる権利があるんだから少しくらい良いじゃねぇか。

そんなんだから日中悶々と過ごすことがある。しかしシオンの顔面が良いから許してしまう。

今日も今日とて朝のランニングの後に後ろからハグしたら、汗かいてるからとか、共用スペースではダメとかで拒否られた。

キスの一つや二つ無理矢理すればよかった。俺が我慢してるのくらい気づけや。



やっと放課後。この後軽く訓練して、宿題もちゃっちゃと終わらせてから……


「ねぇ勝くん」

「あ?」

「今日は部屋に来てくれないの?」


Booooooom!!!!!


「うをっ!?爆豪が爆発した!!」

「誤爆か?何やってんだよ」


上目遣いに寄せられた眉。俺にしか聞こえない声量。コイツ、俺が我慢してることも解ってて言いやがったな…

自分で言うのもなんだが、俺をこんなにも上手くコントロールできるのはコイツしかいないと思う。

シオンの顔を盗み見ると、目を細めて少し口角が上がっている。確信犯め…

それでもやっぱり、シオンが愛しくて仕方ない。

直行でシオンの部屋に向かった。


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匿名様リクエスト、ヒロインちゃんが愛しくて爆発しちゃう爆豪くん。

このネタ好きなので今後も多用したいですね。リクエストありがとうございます!
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