BSAA研究員として頑張る2


「BSAA欧州本部技術研究局の『C』です。これから何かとお世話になると思いますので、何卒よろしくお願いします!!」


「張り切ってるな、フィオ。もしかしてピアーズみたいな男はタイプか?」
「え、っ!? やややっ、…ク、クリスさん!!からかわないで下さいよ!!!!」
「ははっ、そんなに大きなフィオの声は初めて聞いたな」
「…うう〜、クリスさんにいじめられたってジルさんに報告入れてやるんだから…」
「どうどう… ピアーズ、この子はこう見えてBSAA創設時あたりからの古株でな、B.O.W.やウィルスに関するフィオの研究は局内で右に出るものはいない程完成度が高く、なおかつ俺達北米支部のアドバイザーでもある。まあ、アドバイザーになってくれと頼んだのは俺なんだがな」
「隊長自ら頼み込む程の…! でもフィオさん、歳は俺と同じくらいか下ですよね? その歳でこれだけ隊長に信頼されてるのは、さすがです」
「いや、えと、はあ、…そうでもないです、よ」
「謙遜するなよ。彼女も俺達と一緒に戦ってくれている、見えざる“家族”なのさ」
「でも… 現場で戦ってくれている貴方達にに比べたら、わ、私なんて……」
「フィオ… “ソレ”、まだ直らないのか。お前はお前の仕事を誇りに思っていいと思うぞ。だからこそ俺も毎回無事に戻って来れる」
「(?)」
「はあ… 分かってるつもりなんですけど、なかなか直らないですよ。前回の戦いでもまた亡くなった方がいたでしょう? 私がもっと、もっとうまくやっていればって…そればっかり…」
「いいかフィオ、現場では色んなことが起こる。今回現れた新種のB.O.W.のと戦闘も、お前のアシストがあったからあれだけの被害で済んだんだ。…自信を持て。聞けば研究局局長への推薦が来てるって話じゃないか」
「ジルさんから聞いたんですか。でも私、」
「断るんだろ。お前の考えることくらい分かるさ。上から認められるだけの成果を上げてるんだからもっと胸を張れってことだよ。頼りにしてるぞ、『C』」
「はい…」
「返事は元気に!」
「はいぃ!!」
「…後で報告書を上げておく、じゃあな」
「了解です!クリス隊長!」
「行くぞ、ピアーズ」
「はい。…貴方が『C』だったんですね、フィオさん」
「は、はい。あっ、先日はすみません。戦場の状況をちゃんと把握出来ずにまともな指示が出来なくて…ピアーズさんを困惑させてしまいました」
「そんなことはないです。あなたのおかげでいち早く新種B.O.W.の弱点を発見し、撃破することが出来ました。現場に居ないのにあれほど的確な指示が出せるなんて、『C』は鷹の目でも持ってるんじゃないかって噂になってましたよ」
「鷹じゃなくて『烏』なんですがね」
「はい?」
「いえ、…ピアーズさんからも信頼していただけるようより一層頑張りますので、B.O.W.やウィルスについて困ったことがあれば私に任せてください!」
「隊長が信頼を置いてる方だ、俺も遠慮なく頼りにさせてもらいますとも」
「あはは、…あ、ピアーズさん!」
「何です?」

「…死なないで、くださいね」





「随分フィオに捕まってたな、ピアーズ」
「あの子、優しいんですね。周り気遣ってばっかりで、自分の事は二の次三の次って感じです。アレ目の隈ですよね、すごい深いんでちゃんと寝てるのか心配だ…」
「ピアーズ… 言っておくが、おそらくフィオはお前より年上だぞ。正確な年齢は分からんが、アジア系だから多少幼く見えるのかもしれん」
「はあ、東洋系ですか… だから小さいのか」
「なんだピアーズ、お前もフィオみたいなのが好みか? 確かに可愛くて小さくて、どこかほっとけないからなぁ…」
「…隊長、フィオさんの父親みたいですね」
「せめてお兄さんと言ってくれ。傷付くだろう」
「すみません」


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121226
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