「濡れようか」なロイさま
「私はかなしいですよ…」
「なにが」
「…せっかく、せっかくね、ウキウキで外へ遊びに出たのにね…」
「ああ」
「いきなりの、雨ですよ」
「そうだな…」
「ね…」
「…落ち込みすぎだろ。しょうがないじゃないか、雨なんだから」
「だって…雨宿りするしか出来なくなる」
「そうかな」
「そうかなってなにさ」
「雨がかなしいだなんて、アンタが決めたことさ」
「…？」
「行くぞ、フィオ！」
「へっ、え！？ ちょ、あっ、ロイィィィ！！！」
「あはは！ 濡れるのって楽しいだろっ！」
「っば、ばかじゃないの！」
「馬鹿やるのって楽しいじゃん！ なっ、フィオだってそう思うだろ！」
「やっ、思うワケ…！ あーもうビチョビチョ！ なんでこうなるかなー！」
「んー！？ なにー！？ 何にも聞こえないけどー！」
「かーえーりーたーいー！って言ってんのー！」
「聞こえないってー！」
「ばかロイー！」
「へへ、馬鹿だから風邪引かないしなー」
「聞こえてんじゃん！ 隅々まで濡れてしまったよ…寒いし…！ もうっ！帰るから！」
「雨、楽しいだろ」
「…なんでロイはそんな嬉しそうな顔が出来るかな…信じられないよ」
「だってフィオも楽しそうな顔してるじゃん」
「…まさかぁ？」
「…まさかのまさか？」
「………雨で悲しい私より、雨を楽しむロイの情熱の方が強かったみたいだ」
「何事も楽しむ！ 楽しむための努力は惜しまないつもりさ！」
「すごいね…つくづくパッションの男だねアナタはね…」
「なんかカッコつかないな。まあ情熱的な男だろ、俺って」
「情熱的というか、…ロイって実はサドっけあるでしょ」
「えっ！そうかな」
「なんでちょっと嬉しそうなの！？」
「えへへ…サドってなんか強そうじゃない？ んじゃ、そろそろ帰ろうか！」
「帰ろ帰ろさっさと帰ろう。…こんなに濡れたんじゃ明日絶対風邪引くわ…やだぁ…んでロイはピンピンしてんでしょおばかだから。やだわぁ… 一発殴らせろよ？」
「殴らせるだけで風邪引くこと許してくれるフィオって実はマゾっけがあるんじゃ…？」
「オイ殴ったら許すなんて言ってないぞ。オイ。」
「二発殴らせれば看病するのＯＫだな。大丈夫大丈夫！俺情熱的に看病するから！」
「やだーこの子炎属性のハズなのになんで雨浴びてこんなにテンション右肩上がりなの〜」
- - -
雨降っててですね…そんな時でもロイさまといれば楽しい楽しい〜＾＾ってなればいいなっていうＭＯＳＯ。
どこかに消えさった雨の日だから濡れちゃおうロイさま自分メモを思い出しながらリメイクという自分めも（？）
160711
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