「優太郎!ごはんですよ!」
「わかった。じゃぁ姉ちゃん呼んでくるよ。」
日本時間:8時くらいだろうか…とても夏とは思えないくらい
今日は寒かった。
冷夏とでも言うのだろうか…涼しいのには申し分ないのだが
今日はやけに寒く感じた。

赤坂 優太郎。
今時男子高校生では珍しい黒髪に黒い瞳。
日本人らしい日本人であり、現在彼女はなし。
身長もほどよくあり、身体も程よい肉付きをしていた。
「(彼女は当分いらないな。)」
彼女の事を思い出すとやってくるのはオクテの彼女だった。
中々可愛くて男子からもアピールされていったが彼女は、優太郎を選んだのだ。
しかし、付き合いは突然に終わる―――――――
今となっては、苦い思い出だ。
「さて、姉ちゃんは…自分の部屋だな。」
たたたっと1階のリビングから2階の階段を使った。




今回がこの本編の主人公である…

姉の部屋から聞こえたボイス音。

それが俺を陥れた元凶でもあった…









幻想ロマネスク






「姉ちゃん!飯だって。」
「!わかった!了解!優太郎♪」
とんとんっと扉を叩くと急いだ口ぶりで姉の声が聞こえた。
扉が開くとぎゅっと姉が抱きついてきた…
ほどよく姉の胸が自分に押し付けられて圧迫させられる。
「ねっ姉ちゃん!胸!」
「あら!いやだ〜優太郎のえっちー!」
「エッチーじゃない!」
「今日は大サービスだよ!なにせブラ付けてないし。」
ぁ、いつもサービスしてるか!とケラケラと笑う姉に頭を悩ませた。
みつき姉は社会人であり表上はすごくかっこいいキャリアウーマンなのだが
素はただのよっぱらいと言った感じだろうか。
「付けてくれよブラくらい!」
「うふふ。そんな愛い愛いしい優太郎が可愛いの!」
お婿さんを見つけるならあたしとね!と勝手に姉の妄想が始ってしまう。
姉はなんてこうストレートで俺に構うのだろうか…まったくもって不思議である。






家の食卓はいつもの風景だった。
姉、兄貴、俺、父、母。全員で5名である。
兄貴は優太郎とはちがいマジメといったものではなく
チャラ男といえばいいのだろうか。悪く言えばそうなる。
しかし、現在は彼女と2年も付き合っていると言う律儀である。
父も母一筋なのか毎日テーブルの真中に花を生ける。
母の好きな花を365日欠かさず…。
「ぁ 優太郎、2階にある俺のサイフもってきてくれないか?」
「え?兄貴の?」
「お願いだよ優太郎。なっ!頼む!」
「…わかった。その代り持って来たら1割は貰うよ。」
「OK。そんくらいはたまには優太郎にもしてやるさ。」
先に食事をしていた家族のモトから離れ階段を急いで上っていった。






「(えっと、兄貴のたしか…あっ…あった。)」
暗闇の兄貴の部屋の机を見て「これか。」と小さな声が漏れた。
兄の部屋は自分の部屋よりもCDの枚数が多くポスターは
外国の有名歌手が歌っているでかいポスターがベッドの近くの壁に
貼り付けてあった。…兄貴は度々金が溜まればNYやらどっかの外国を
見てきている…。未だ自分は【日本】という国から出たことがない…。
自由な兄貴を時折羨ましく思うのだ。

「…俺も金溜めないとな…」
よしっと兄のサイフを手にとりながら階段を降りようとしたときだった。





ウィーン・…ウィーン・…






電子音が姉の部屋の前からきこえたのか優太郎の足がぴたりと止まった。
姉に失礼とは思いつつも扉を開けて、その音の原因を調べようとする。
ぎぃっ・…鈍い扉の音が優太郎の耳にかすかに残った・・・
目の前には姉のデスクトップのPCが机の上に置いてあり
原因の音はこれだと優太郎は察知した。
部屋の明かりはつけずに・・・。
「…これか…」
とりあえず画面を付けてきちんと終了しないと…と優太郎は
デスクトップの画面をつけた。





「…なんだこれ。」
画面には2人の軍服に身を包んだ男がいてロゴタイトルは
―――――――≪絶対服従命令≫。
レッドな画面にしばし優太郎の表情が停止してしまう。
そしてサウンドミュージックも威厳ある曲が鳴り響いた。
「姉ちゃん、このゲーム…」
一体なんだ?…と言う前にマウスで画面を消そうとしたのだが
優太郎は気になったのかスタートボタンを押した。




するとマッチョな男がにたりと笑いこちらをみてくる。
サングラスをしていて、セリフが流れる。
「…エンターテインメント…主人であるルイーズ?」
そのマッチョな男の名前がたぶん上に表示されている
【ギャラハー】というのだろうか。
「ビジネス・パートナー?…キア?」

ボイスが響き渡りその【ギャラハー】というキャラクターが
言った言葉を無意識に小さく優太郎は呟いた。
「鬼畜?…第二次世界大戦?」
しかも【ギャラハー】という男は照れた顔で言うものだから
こいつは俗に言うモノ好きというのだろうと勝手に解釈をした。
「…これ、やっぱり消そう。」
姉がこういうゲームをやっていること事態にやっぱり今はなれない。
しかし、ずっと手が一つのボタンを押していた。

エンターキー。

無意識に押していたのだろう、優太郎がはっと自分が押していたのに
気が付いて画面をばっと行き良いよく見た。



動いている。
俗に言うゲームのOPが始った。
目の前に沢山の男がたびたび登場してくれる。
・…瞼が…お…重い・…
だんだんと瞼が重くなり、優太郎は自分の身体に力が入らないのか倒れてしまった。
頭の思考すらもだんだん鈍くなっていく。
「…」
まさか、一種で言う洗脳ウィルスなのではないかと感じた。
一生昏睡状態とか、優太郎の頭にかすられる……
無意識に優太郎は姉の部屋の窓を開けた。


こんなに眠くなるのなら…自分を起こす機会を作ればいい。
無茶なかけで、優太郎は窓から一気に落ちていく。
2階といえども落ちたらタダではすまない…
…それでも、優太郎は身を乗り出して落ちた。








そう、起きた時には病院かと思っていたのだ。










うめき声のような、サイレンの音が聞こえた。
優太郎はうっと小さなうめき声をだし、瞳をゆっくりとあけた。
「…ここは。」
真っ暗で上を見ればまん丸な月が夜中の空にあがっていた。
優太郎が立ち上がると、すごいサイレン音がまた聞こえたきて
とっさに耳をふさいだ。

「…どこだ…ここ。」
ふらふらと頼りない足で月明かりに導かれてきてみれば…
「(けっ警察!?)」
一気に目を覚ましたように優太郎の瞳が見開かれた。
警察が街を行き来しているのかすごくどたばたしているようだった。
なんなのだろう…いったい。
優太郎は不思議でしょうがなかった。


思えば自分の家もない、あたりを見渡すとどこかの外国の町並みにもみえてくる。
「(…ちゃんとした町並みをみてみよう。)」
一番手っ取り早く、そして確実だと思ったからだ―――――。
自分がいま何処にいるのか、とりあえず人の家の屋根にのぼった。
勿論警察など人目につかない場所を選んだ。
「…なんだこれ。」
屋根を登ってみた後、信じられない光景を目の当たりにしていた。
月が綺麗に見える…しかし、屋根にいるもう一つの人物に
優太郎は見入ってしまった。
手には何かの宝石なのが納められていてふっと不敵な笑みを零している…人。


「誰だ。」
「ぇ!?」
気がつかれたのかその男は言葉を放った。
その言葉に強さを感じた。
その男は前を宝石を見つめたまま…。
「いや、俺は…」
「なんだ、俺に気付いていたのか。」
いや、違う。俺に言ったんじゃない…
もっと、違う…誰かに・…





軍服姿でゴーグルみたいなのが特徴的で…
自信に満ちた男の瞳が、その男宝石の男に話しをかけていた。










「会いたかったぜ。シルヴィオ。」
今日も楽しもうぜ。という笑みが零れる男・・・
「俺、どうすればいいんだろ・・・」
場違いな場所に来てしまったのかもしれない・・・優太郎の瞳が困惑になり
足がすくんだ瞬間、うわぁ!と声があがってしまった。
しかも、夜中ではその声がでかい。
「!?」
「上だ!」
その声に反応した警察が屋根を指差すと「ちっ」と怪盗の口から漏れる。
スポットライトが屋根になりすると怪盗であるシルヴィオを映し出していた。
「じゃあ、またなキア。」
「なっ!」
すっと屋根を伝いとんとん拍子に遠くへといってしまった。
残されたキアも退散しようとするが自分とシルヴィオの再会を
邪魔したやつを半殺しにしようとその場所へと駆けつける。
怒りの矛先が警察ではなく、優太郎へと変わった。

「いてて・・・」
「いててじゃねぇよ!おめぇか!」
駆けつけたキアはもうむしょうに怒っていて落ちて
上半身だけを起こしていた優太郎の上に乗りかかった。
またここは家の細道に落ちてしまったので月の光が見えない。
顔が互いに見えない状況に立っているのだ。


月が、やっと互いを見せてくれる。
「・・・・」
「・・・・」
双方、言葉なんて出なかった。
優太郎のほうからすればゲームで【ギャラハー】というキャラクターに
銃を向けて怒っているのを見ていた男・・・実際をみると迫力があると言うものだ。
一方のキアもその漆黒の黒髪と瞳に圧倒されていた。
しかもなにかと美人顔でそそる顔をしていたのに気が付いて―――――。

「へぇ、中々綺麗な顔じゃねぇの。」
「・・・お前・・・・」

しかし身体が地面に叩き付けれられたショックで身体全身が痛み
涙が流れながら瞳を閉じた。
「おっおぃ!!!」
キアは声を荒げそっと優太郎の首筋に手を当てた・・・。
「・・・なんだよ。ただの気絶か。」
つまんねぇな。ぽつりと呟くとにぃっとキアの口が笑っていた。
優太郎の顔を見るとなにか・・・ぞくりとくるものがあると気が付いたのだ・・・。



「さてっと。こいつはとりあえず持ち帰りとして――――」
優太郎を持ち上げると自分の愛用のバイクに乗せた。
愛犬のティグも自分の帰りを待っていると頭に想いながら・・・
「(面白いモン・・・手に入れたな。)」
気絶している優太郎の半開きの口に触れるだけのキスをした。












俺は、姉ちゃんの部屋に行く事事態が【大凶】だったのだ。
行かなければ・・・こういう世界であいつらと会う事はなかった。
神様、俺は平和主義者です。なぜ、俺にこういう試練を与えるのですか。
神様なんて信じていないのに、こういうときだけ神頼みなんて・・・似合わないな。
俺は――――赤坂 優太郎は、トリップという夢に陥ってしまうなんて
・・・まだ気が付くのは先のお話である。
その前に、キアに食べられなかっただけでも良かったと思います(笑)
以下続く。












Suzuno Asaka
Dream Novel 2006,0813




書いてしまった。
なぜあたしはこう、即効性のある女なんでしょう(死)
すごいな自分。まだちょこっとしかやっていないのにこの妄想力文は
すごい。これだけは誉めるよじぶん。
笑って見過ごして下さい、これは夢なんだと・・・またBL夢かよ。と思わないで。
全てはわたるさんのせいで!(人のせいにするな)
暇があればまたかきたいですね。
うん、続きがあるのかさえ分らないのだよ。


prev next
bookmark back


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -