カレンダーに付けられた24日の聖イベントにはきっと奇跡が起こりますように。


赤坂 みつき
12月23日午後10時 自宅






たまにはクラシックを聞いてみるのもいいかもしれない。
みつきはラジオでクラシック特集をやっているラジオ番組をベッドで
何か考え事をしながら静かに時を過ごしていた。
ぼけっとするのは正直性には合わないみつきだったが
時間の流れは恐ろしいもので
すっかりとちょっとは女の子らしくなったつもりでいるらしい。
デジモン世界では何ヶ月もいたというのに現実世界との時間差は
ほんの数分にしかなっていなかった・・・。
あの冒険の時間は本当に遠い昔のようであるようだった。





そういえば、明日は12月24日だ。
みつきはラジオのパーソナリティの司会者の声を聞いていると
丁度「明日はイヴですね、」と聞いている人達に問い掛けるようだった。
クリスマスであると知ってはいたがどうせ母達も帰ってくるから
それでイブはおわってしまうであろうと思っていた・・・が。


みつきはあの真夏に冒険した友達と一緒にいたいとおもっていたのか
母達が帰ってきたということで家族と過ごしてはい、おわりっていうのも
だんだんおしいとおもってきたのだった。






そのとき、クラシックの曲が流れている最中だというのに
みつきのケータイから着メロが流れていた。
その着メロが自分の好きなアーティストの曲で元気一杯の音が
流れ出している・・・ぴっとみつきが取ると「もしもし!」
と元気一杯の少女の声が聞こえた。
その少女の声は、みつきは大体検討がついている。



「みつきさん!元気にしてる!?」
「・・・ミミちゃん。声でかいよ。」
きゃ!と嬉しそうないつもはじけている彼女の声。
突然の大声に耳を傾けていたみつきの鼓膜が破れるかと思った。
最大音量にしていたからでもあるのだが・・・。
「みつきさん明日皆呼んでクリスマスパーティーしたくない!?」
「あ、明日?」
「うん!もうクリスマスっていったらやっぱり皆呼んでわいわいしたいじゃない!?
だから幹事をみつきさんにやってもらおうとおもって!」
「ちょっ!あたし!?」
クリスマスを皆で、みつきはそれもいいなと思っていたみつきだが
ミミの言葉から出た「幹事はみつきさんで」という言葉は少々ひっかかった。


「ミミちゃんがやればいいじゃない?」
「だって!ミミがやったらきっとめちゃめちゃになるでしょ?」
自分のことをよくわかってらっしゃる。
みつきは旅の中でも一番成長したと思っているミミが変わっていないんじゃないか?と
思うところだが、やっぱり彼女は成長しているのである。
でも人に押し付けるのはちょっとイタダケないんじゃないですか?


「・・・わかった。あたしも皆にあいたいし。」
「じゃあ決定!場所はあたしが決めておくからあとはよろしくね!」
「えっちょっ!?」
「あ!プレゼント交換は必須ね!」
と付け足すようにみつきにそう言いさったミミは嬉しそうな声で
電話の電源を切ってしまった。









「まいったな、太一とも約束してるのに。」









一人事は静かに消え去っていた。







クリスマスまで、あと2時間。


Suzuno Asaka
Dream Novel 2006,1217



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