俺には憧れの先輩が2人もいる。
改めて・・・俺は本宮大輔、お台場小学校の5年生。
そうそう!憧れの先輩は一人は八神太一先輩、ヒカリちゃんのお兄さんで
俺の大の憧れ。かっこいいし、サッカーでも一番あの人のプレイが
かっこよかった、うん、俺はあの人が大好きだ。
そして、もう一人の憧れの人は・・・・









Three arrows








月曜日、それは小学生、中学生等の学校の始まりの日の最初の曜日であった。
土・日が休みの翌日となれば、だるいの一言に尽きるのだが
そのだるい「月曜日」の朝はいつもとても大事な用事があるのだ・・・。
その用事を抱えているのは学校まで走る本宮 大輔であった。
ランドセルをしょいつつも走って、学校まで行く近道のおじいさんの家の庭を
無断で通りそして走ること10分。
後はなんとか走れば間に合う―――運動が得意な大輔にとってそれ位はお任せアレだ。
AM7:00。この時間にちょうど来た大輔が校庭に入るとちょっとばかし、

「このボール取れるかな?」
「とって見せるさ!見てろよ!」

今日もちょっとばかし遅くなったのだろう、大輔の顔がちょっぴり綻んでいた。
今日も会えた、大好きな2人に。

「太一先輩!みつき先輩!」

その男の子の声を聞いた男女は一旦顔を合わせたがすぐに足元にある
ボールに目線をそらす。
じりじりと2人はボールを見あいどっちの足で取るのかと考えている。
「待ってろよ大輔!ちょっと賭けしてるんだ!」
「そうそう!ちょっと待っててね大輔くん!」
「・・・はっはぃ。」
この2人を止めるのにはこの勝負を終わらせたほうがいい、
そのぐらい手にとるように分る答えで大輔はその間にでもと
その太一とみつきのバトルの行く末を見ていた。




勝負をしかけてきたのは太一の方からだった。
すっと太一はボールを取ろうとし、みつきはそれを阻止し様と足を出したのは
いいのだが太一のその取ろうとした足は実はフェインとを掛けていて
もう一つの足でボールを取ろうとした時だった。
「!太一先輩の勝ち!?」
その時、みつきの足が太一の頬ラインをかすめた―――――。
しかし掠めただけであり
みつきが太一にあったボールを見事なまでに自分の身体に吸い寄せるように
取ってしまったのだ。
・・・その光景を見て大輔は顔を赤くしとても興奮状態になってしまっている。
その勝負に みつきは太一に「勝ちだよね?」と口で言わずに態度でわかった。
ダテに3年間も一緒に居ないのだから・・・その顔に太一がみつきの頭をぐりぐりと
手で押していてみつきは痛い痛い!という顔をしていた。
勝負の終わりに大輔はやっと2人の側に近寄ってきた。

「お前、本当に面白いやつだよな。」
「太一もね、ひやひやしちゃった。・・・でもあたしの勝ちだよね?」
「あー・・・はいはい。」
諦めたような顔と声でみつきに反応するとみつきが「ホントにわかってるの?」
と不思議な目で太一を見上げていた。







「今日は朝練ないのか?」
「あっはい。月曜日はいつもないっす!」
「へぇ、あたし達の代なんて月曜日の朝はいつも練習だったからね。」
「ですよね、でも練習は結構前よりも厳しいっすよ!」
やっと賭けが終わったのが朝来て10分後、太一・大輔・みつきは
学校のピロティー前で話をしていた。
月曜日の7時から8時までの1時間、たまにこうして3人で話すようになっていた。
最初は太一から大輔を誘っていたのだが、大輔が「みつき先輩は誘えますか?」と言われ
隣同士であるし、同じ中学のみつきにコンタクトを取ったら見事に成功。

「みつき先輩は確か女子サッカー部作ったんですよね!?」
「うん。でもやっぱり男の子達といた方が結構楽しいからね・・・太一は
特に練習相手にうってつけ!」
「別にそのくらいならいいんだけどさ!大輔も気をつけろよ?みつきの足技は
結構鋭いんだ!」
と冗談交じりの会話が大輔は好きだった。
別に2人は付き合っていないらしい・・・というのはたまにお台場小学校に来る
中学生から聞いていた。
てっきり2人は付き合っているんだろう、と思っていた大輔。
大切な先輩、大好きな先輩・・・なみつきの事を大輔はちょっぴり意識している
時があった。

「失礼だよ太一!」
「悪ぃ!・・・・・よしっ!ちょっと休憩したし大輔、相手になってやるよ。」
と大輔を呼び出すと大輔は笑って太一の方に歩み寄った。
その時大輔は後ろで座っているみつきを見てにっと笑った・・・

「みつき先輩!今日こそ太一先輩から一本とってみせます!」
にかっと笑っている大輔の顔を見てみつきも嬉しかったのか
「頑張ってね!」と大輔に応援をおくった。
その姿に太一はちょっとだが、ほんのちょっと羨ましい顔をしていた。
しかし、太一の顔は穏やかで「早くしろよ!」と声をだし大輔を呼んだ。







練習はぎりぎりの時間までやっていた。
みつきもその練習を見てほぉっとため息をつくくらいだ。
最初はサッカーボールの取り合いになっていたが
本人達はもっと真剣にゲームをしていた。
・・・やっぱり、自分の男の子に生まれたかったなーなんて思うくらいだ。
そしたら太一や大輔達と一緒に試合が出来るのに。



切ない想いが出てきた瞬間、ぽんっと太一がみつきの頭を撫でた。
「・・・お前、またへんてこな事考えてたろ?」
「ぁ・・・ちょっと。」
「顔にでやすいんだよ。・・・ちょっと早く切り上げようぜ、」
「・・・そうだね。」
「みつき先輩。ちょっと水飲んできたほうがいいんじゃないですか?」
「そっそうだね!じゃぁ、ちょっと行ってくるよ。」
たたっとみつきは走って近くの水飲み場の直行する姿を2人は見送ると
くるりと大輔は笑って太一を見た。
後輩でもある大輔を太一は見て笑っていた時だった。
「みつき先輩の事、太一先輩は好きなんすね。」
「へ!?・・・いや、その・・・」
「俺は好きですよ、みつき先輩のこと。」
さらりと言った大輔に太一は手元に持っていたボールをストンッと落としてしまい
大輔の顔をただ呆然と見ていた。
その太一の顔といったら・・・信じられないって顔をしていた。
「だから、太一先輩がくよくよしてると俺がみつきさんを貰う覚悟なんで!」
「お前、それ冗談だろ?」


そこで冗談ってのもすごいと思うんですけど先輩(笑)



太一先輩がくよくよしてたら、本当にみつきさんゲットしちゃいますよ。
冗談に聞こえるかもしれないけれど・・・これは本音。
太一先輩がもしみつきさんと付き合うって居るならともかく・・・だ。
大切な先輩だし尊敬する2人の先輩・・・くっつきそうでくっついてないっていう・・・
だから、宣戦布告っすよ、太一先輩!













「あれ?太一・・・どしたの?」
「いや・・・そういえば、明日空いてるか?」
「・・・明日・・・まぁ、空いてるけど。」
ちょっぴり・・・進展の予感?









Suzuno Asaka
Dream Novel 2007,0214





一応説明的には
大輔はまだ選ばれし子供になる前って感じで、この2人は本当に
特別な何かで出会ったという勘まではあるよう。
一応中学生である主人公の1週間始まり、月曜日のとある日常。
いつか自分で考えていた1 Week Story(日曜日から土曜日までの一週間ネタ)が
書きたいところ。
とりあえず、大輔は主人公ちゃんが好きと尊敬が混ざってます(笑)
太一は空か主人公かで迷えばいい!(太一さん主義だけどね)


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