可愛い女の子が出てきて、そしてやっと揃った仲間達。
しかし、クワガーモンというモンスター・・・いや、デジモンに襲われた。
太一達の側にいたデジモン達が姿が変わっていき・・・光輝く。
クワガーモンが去ったと思った時、あたし達は崖から落ちていった・・・。
青空が、あたしの瞳に移った・・・。




Story Without Title
ファイル島での出来事・・・2





「「「「「「「「うわわぁぁあ!」」」」」」」
8人の子供たちがいっせいに声を荒げた。
急降下で落ちていく自分達、を助けようとするデジモン達だが
その重力に叶うはずもなかった。
みつきも目をつぶったその時ぽよんっとどっかに落ちたにもかかわらず
自分が濡れていないという事に不思議を感じていた。
みつきが目を開けると、魚が自分達を助けてくれたこと・・・。
一体、どうなっているの!?とみつきは頭を働かせていると
ヤマトの声が上がった。
「おい!みろ!」

そのヤマトの視線の先にはさっき自分達を襲撃した
赤いクワガタ、いや・・クワガーモンが落ちていく姿。
クワガーモンが落ちたせいもあってか大津波が後ろから攻め立てていく。
まるで自分達を飲み込もうとしているように―――――
「い・そ・げぇぇ!」
しかしその願いも虚しく大津波がみつきたちを飲み込み
荒い波の音を立てながら流れていった。









おい、大丈夫か!?
誰の声であろうか、みつきは目を覚ますとまだ水の中で
口を開こうとするが誰かに口をふさがれてしまっていた。
ゆらゆらと揺れる水―――――自分は今助かろうとしている・・・。
みつきがその人物を見ようとしたときには金髪の少年で
自分の幼馴染のヤマトだった。
深い水の底からみつきを引き上げるとみつきの身体が酸素を
欲しがるように息を吸い始めた。
目の前にはヤマトがいて背中をさせってくれていた。
「っ、ヤマト、」
「大丈夫か?とりあえずタケルも心配なさそうだし、みつきも大丈夫でよかったよ。」
「・・・ありがとう。」






「やっと本当に安全になったようだな。」
ヤマトがほっとしたような声を出した。
みつきもさっきよりも服が乾いて息も整ったみたいだった。
皆しっかりと目覚めていてらしくヤマトもちゃんと8人いたのに
ほっとまた息をついた。

「でも、さっきのは・・・」
メガネをかけている少年、丈はさっきの魚のことで
頭が一杯だった。その時丈の答えを知っているデジモンがいた。
丈のパートナーのデジモン。
「あれはね!≪マーチングフィッシーズ≫さ!」
と元気よくいうのに丈は「へぇ」っと感心な声をあげ
その答えをくれたデジモンに感謝をした・・・が、さっき自分といたデジモンではない
事に気が付いたのだ。
「えっと、」
「ゴマモンだよ!」
「・・・ゴマモン?」
さっき言っていた≪プカモン≫ではないらしく
他のデジモン達も姿形が変わっていた。
互いに質問をちょこっとぶつけてみると
自分達は進化した。という結論が出たのだ。



「へぇ、じゃぁ君は≪アグモン≫なんだね。」
「そうだよみつき!」
と愛嬌のあるミニ恐竜みたいなデジモン≪アグモン≫は嬉しそうな顔で答えた。
「って事は前よりも強くなったって事だよな?」
太一はその≪アグモン≫に質問すると元気よくそうだよ!と答えた。
「そうだよ!進化できたのは太一のおかげなんだ。」
「?俺のお陰?」
「そう、僕達は自分達で進化できないんだ。」
・・・アグモンの話はみつきの頭のなかに入り込んでいた。








「で、これからどうしようか。」
みつきがそういうと即答っぽく返事が返ってきた。
「そりゃ、大人たちのいる所に戻ったほうがいいと思うんだ。」
城戸丈という少年だった、
「戻るって言われてもな。」
と呟いたのは隣にいたゴーグル少年:太一だった。
「そうよね、結構流されたし・・・」
と次に空。確かにみつきたちが流されて結構遠い、むしろその元から来た道に
戻るのは流された時よりもスムーズにいけるわけでもない。
「他の道が、きっとあるはずだ。」
ヤマトも元の場所に行くのを反対した。くるりとヤマトが見渡すと
現実的ではない言葉が帰ってきた。

「それに―――、本当にここはキャンプ場の近くなのか?」
熱帯雨林にも見えるし、どでかい花は咲いてるし・・・みつきも最初キャンプ場に
来た時にはそんなものどこにも置いてなかった記憶があった。
するとゴーグル少年の太一という少年は「しょうがねぇ!」と言って笑った顔で
「行こうぜ。」と声をかけた。
少年は笑って「さっき海が見えたんだ。」と皆に希望をもたせるようだった。
・・・と言っても太一はそんな事なんてちっとも思ってもいなく
ただ単に海が見えた方向へと彼は足を向かわせた。








「熱帯雨林と思ってましたが、・・・いや、でも亜熱帯でもなさそうだ。」
「・・・本当、変な木ね。」
オレンジ色のシャツを着ている少年と空、そしてみつきは一緒に
歩いていた。そして約一匹、大きい(といっても中くらい?の)テントウムシが
光子郎の横を飛んでいる。
「こんな木みたことも・・・ないし。」
「あたしもよ、みつき・・・」
「僕もです。」
と互いにそう言っているとそういえばとみつきの前に空が来た。
なにやら言いにくそうな顔で。みつきは?マークだった。
「みつき 、いつ髪の毛切っちゃったの?」
しかもばっさり、と心配じみた空の顔にみつきはただ空笑いしか出来なく
・・・しかし「大丈夫!」と笑ってそれだけは答える事が出来た。
7月31日まではあんなに綺麗な髪の毛を一晩でこんなにショートになるのかしら、
と空はやっぱり思っていたのでありました。


ふと、みつきはあの子と話したくなった。
ちらりとみつきは後ろを振り向いたー―――
後ろで植物みたいなデジモン・・・さっきは≪パルモン≫と言っていたか・・・
その隣にいるピンクのテンガロンハットを被っている美少女:太刀川ミミに―――。
みつきは足のペースを遅めると少女:ミミと並んだ。
ミミは?マークで「なに?」と視線をみつきにぶつけられた。
みつきはあはは、と笑いながらミミに話をかける。
「さっきは自己紹介できなくてごめんね。」
「あ、そっか。あたし太刀川ミミ。貴方は?」
「あたしはみつき 、 赤坂 みつきっていうの。小学5年生。」
「へぇ年上なんだ。よろしくね!みつきさん!」
と彼女の方から握手をされてみつきはとても嬉しそうだった。
お台場小学校の、しかも年下と仲良くなれるって言うのはそう滅多にあるものじゃなく
きっかけが欲しかったみつきにとってはとても嬉しいことだった。




「海の匂いがしてきた!」
カブモンの声が上がったときにはみつきもミミも顔を見合わせていた。




海岸方面に向かううちにジリリリリーンと音がしてきた。
・・・まるで・・・
「黒・・・電話の音?」
「って、みつき・・・黒電話とは古いよ。」
とツッコンでくれる空だがこの音には正直ありえない音に過ぎなかった。
太一を筆頭に走っていくと砂浜が見え、そしてありえない光景に目がただ
おかしくなってしまったのではないか、と誰もが思ったであろう・・・。
綺麗な海、白い砂浜・・・綺麗な青空、そして・・・5つの・・・電話BOX。
「・・・(ありえない。)」
一言でそう言いたくなるような異様な光景だが太一は走って
その電話ボックスに近づいた。
みつきも走りやっと太一についた頃にはさっきまで鳴り響いていた電話の音が
消えていて全員がこの電話BOXに来た時には「不合理です。」と
光子郎の声が聞こえた。
ザザー、っと海の波音が響く中・・・みつきたちはずっとその電話ボックスを見ていた。
「これって、普通の電話ボックスだよな。」
「・・・だよね・・・」
ヤマトの言葉にぽつりと合意をする空にあたしの家の近くにもある!と
ミミが声をあげた。
「じゃぁ、ここって・・・」
みつきの考えはここは日本のどこかかも、と思っていたが
しかしデジタルモンスター・・・デジモンがいるのだ。
その考えは明らかに違うというのは自然な事だった。


「やっぱり日本じゃないかも。」
丈の声が諦めモードに達した時太一を筆頭にとりあえず電話を掛けてみる事にした。
5つしかない電話ボックスに自分たちの家に電話をかける。







しかし、可笑しい事がまた起こり出した。
家に電話してもおかしいメッセージしか返ってこない。
留守番電話とか時間のお知らせなど全てデタラメでみつきは自分が電話をかけても
しょうがない、と思ってしまった。
思い返してみれば自分の両親は今はアメリカに出張中なのだ、自分の・・・
お台場の家に電話をしても・・・誰も出てくれないのだから。
「(いま、ちょっと自分のマイナス思考がいやになった。)」
とちょっぴり心の中で反省をしてしまったみつきである。


そんな彼女のまま次回へ続くのでありました(笑えない)


Suzuno Asaka
Dream Novel 2007,0117


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