お前、良い匂いする
「ごめ、ちょっといいか」
「?なに、安田」
安田はクラスでも有名だ。
いや、学年全体で有名だ。
悪い意味で。
藤とかはいい意味ですっごく有名なわけだけれども、こいつはどうしようもない。
「ちょっと右に寄ってくれ、今女子のパンチラが・・!」
「ちょっと死んでくれないかな」
ほんとどうしようもない。
こんな奴と私は幼馴染なのです。
昔から変だと思ってたけど・・・中学に進学してからいろいろな意味で吹っ切れたのか、オープンにスケベである、安田貢広という男は。
前にいい加減そういうことはやめろと言ったら・・・
「みょうじ、お前何言ってんだよ・・・!俺は健全な男子中学生だぞ!女の子のアレコレに興味があって当たり前だろ!」
と力説された。ごめん、聞いたあたしが馬鹿だったよね、うん。
横で本好とか藤とかが呆れてた。
ごめんね、こんな馬鹿で。
「あー!鏑木!お前は綺麗な脚してんだから、下にスパッツ穿くな!」
「はぁ!?意味分からないわよ!」
ほんとにね。
シンヤも困ってる・・・ほんとごめんね。
「みょうじ、すねるなって。俺はお前の脚も大好きだ」
「すねてないしアンタに好かれても嬉しくない」
きっびしー!と笑うが決してめげない。それがエロリストなる安田である。
「でもさ、」
突如、安田が私に顔を近づけてきた。
え、ちょ・・、まって!近い!
「俺、みょうじの匂いも好き」
「な!」
そんなこっ恥ずかしいことを珍しい真顔で言うものだから・・・
バシンッッ!
「・・・ってえええええ!!」
思い切り平手打ちをかましてやった。
褒めたのに何で?!とか喚いてる安田はほっておこう。
安田のくせに私をドキドキさせた罰。
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