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「…っ」
「ほら、早く言えよ。」
「あ、」
「ちゃんと俺の顔見て言えよ?」
「、」
「…早く。」
「っ、」
ぎらぎらとした目で見つめられて、もうダメだと思った。言うしかない。
「…す、き…」
「聞こえねえ。」
「俺…、隼人が好き!」
「は、知ってる。
今からお前、俺のモンな。」
「!」
びっくりして隼人を思わず凝視すると掴んでいた頭を離してくれて、
これまたびっくりするような甘い顔で隼人は笑った。
「…っ、隼人!ちょう好き!」
思わず抱きついてしまった。隼人の香水の匂いがふわ、ってなって一気に幸せ気分。
「好き好き好き好き好きー!」
「本当おまえってうぜえのな。」
「ご、ごめ、」
「まぁ、
そんなトコが可愛いんだけど。」
隼人も俺の背中に腕をまわして抱きしめてくれて、もう俺、死んでもいいかもしれない!
「隼人も俺のことすき?…痛っ」
「ばーか」
いきなりガブリと噛まれた耳がじんじんして、涙目になる。
「調子乗ってんじゃねえよ。」
「痛いー…!」
「今度。」
「なに?」
「今度俺以外見たら、マジで繋ぐかんな?」
"ついでに縛って鳴かせてやる"、
そう言ってニヤリと笑った隼人はものすごくかっこよくて、
ぽーっとしてたら今度は首筋をかじられた。
「だから痛いってば隼人…!」
「お前の泣き顔悪くねえんだもん。」
…そんなこと言われて簡単に許しちゃう俺は、
もう隼人以外目に入らないと思います。
えんど!
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