少女少年


ゲームをしに遊びに来ただけの、ただの後輩と思っていた少年に押し倒された謙也は状況を把握出来ないまま固まっていた
クーラーで冷えたフローリングが謙也の体温を奪う
「ざ、いぜ?」
「謙也さん、俺今日誕生日なんすわ」
「へ?そうなん?」
「はい」
誕生日という言葉に意外な表情を見せる
今日は財前が謙也の家で遊びたいと誘って来た
以前好きな人がいると言っていたので誕生日ならてっきり好きな人と過ごしたいのではと瞬時に思ったからだ
だが財前は謙也の戸惑いなど気にすることなく謙也の頭を撫でキスを落とす
「謙也さん、14歳の俺の誕生日にプレゼント欲しい」
「な…に?物によるけど」
「……俺を女にしてください」
「えぇ?」
「謙也さん俺の処女を貰って」
そういうなり財前は謙也の股間に触れると軽く撫でまわし形を確かめる
ベルトのバックルに手を当てると器用に片手で外してしまい抜き取り床へ落とす
ズボンを剥ぎ取ると黄色のボクサーパンツが露わにされ、謙也は慌てて財前を振り解き身体を押した
力では体格的にも謙也が有利で財前の身体はそのまま後ろへ流れていく
倒れる寸でのところで体勢は持ち直したが押し倒された謙也はその間に身体を起き上がらせるとベッドから毛布を引っ張り慌てて股間を隠した
「処女って何やねん!突然何言うて…財前は男やろ?」
誕生日の冗談にしては度が過ぎている
財前が着替えているシーンは何度か見た事があるし合宿では一緒に風呂も入った
確かにあの時の財前はたどたどしかったが謙也も白石も財前の下半身はしっかり確認しており男であることは間違いない
それなのに処女とはどういうことか、財前は同性愛者でその対象が謙也だったというのか、恐る恐る顔を覗き見ると財前は俯いたまま汗の付いた床を見つめていた
「財前?」
「謙也さん性同一性障害って知ってます?」
「は?」
「身体と心の性別が違うんです。俺の場合身体は男ですけど中身は昔から女やった。まだ誰にも言ったことがないけどホンマはクラスの女子みたいに普通に男に恋して付き合って、可愛いもん集めてってしたいんです。でも身体が男やから出来んで…」
聞いた事はある
ドラマでも何度かテーマとして取り上げられていたがそれ程真剣に見ていなかったので曖昧な知識しか持っていない
だが、合宿の時一緒に入る風呂を拒んだり股間や胸を執拗に隠したりと若干の違和感はあった
触れる度に顔を赤らめていた時期もあったのでもしかしたら、と好意を何度か疑ったりもしたが普段の態度があまりにも普通だったのでたまたまか照れだろうと勝手に結論付けていた
確かに簡単な問題ではないが、では何故謙也に一番に言うのかと考えて、ひとつの答えに辿りつく
「え、財前って俺の事すきなん?」
無意識だった
だが、謙也の言葉を聞いた瞬間財前は顔を赤らめ頷く
その姿はまるで恋する乙女そのものでまだ出来あがっていない身体から服を着ていれば女に見えなくもなく、謙也は興味本位で腕を伸ばしてしまう
「病気のこととかよう分からんけど…財前は女の子やねんな?」
「心は、そうです」
「そっか…、今まですまんかったな。色々辛いこともあったやろ?」
それは慰めというよりは、話してくれた喜びから受け止めただけだった
だが、財前には承諾と受け取られたのか、謙也が素直な返答を期待し油断している間に再び謙也の身体を押し倒してくる
「えっ、ちょッ!」
「そうなんです。辛かった…辛かったからせめてこの誕生日くらいは、幸せになりたいんです。多分この先も俺は男として生きるしかないんやから、今日1日だけ、謙也さんの力で女にしてくれませんか」
「女にってまさかやと思うけど」
「そのまさかです。ずっとこうしたかった、はしたないって思われてもええ、でも謙也さんに抱いて欲しかったんです。俺は、謙也さんが好きです」
財前は謙也の毛布に手を当てるとゆっくりと動かしていく
戸惑う謙也をいいことに力の抜けた身体を押し倒すと毛布を部屋の入口近くへ勢いよく投げ捨ててしまった
「うわっ」
「必要ないです、こんなもん」
「アカン!アカンでえ!そんな女にするとか、付き合っても無いのに!」
「付き合ってたらええんですか?」
「いやいやそもそも中学生やん!まだ早い、好奇心で済ますことちゃうんやから!」
謙也は財前を押しのけようとするが、財前は謙也の身体にしがみつく
下半身が当たり抵抗のつもりで揺らすと少し顔を赤らめた
「あっ、ん」
「っ!!」
「謙也さ、ん…もっと触りたい…」
「アカン、財前アカンねん。俺ら男同士で…」
「………」
つい言ってしまったと即座に後悔したが後の祭りだ
財前が憎しみを込めたキツイ目をすると謙也をにらみつける
捨てたはずのベルトを拾い上げると謙也の腕を纏めて掴みラックの足に通し固定する
素早い行動に流石の謙也も驚きを隠せず全く抵抗が出来ないまま、財前の思い通りになってしまった
「謙也さんがそのつもりならええです…」
「なんやねん、これ外さんかい」
「勝手に頂きます。謙也さんの童貞」
財前は謙也のシャツを捲り上げると胸元にキスを落とす
「ホンマは謙也さんに触って欲しかった。あんなとこもこんなとこも…ここにキスして貰って舐めまわされて、好きって今日だけでええから言って欲しかったんです」
わざとらしく舌を伸ばすと謙也の胸に押し付ける
唾液で潤った舌が一度大きく謙也の乳首を濡らす
キラキラと輝く光景に財前は唾を飲み込むと、謙也の上に跨ぎ体重をかけ動けなくした
その体勢のまま財前はTシャツを脱ぎ床へ捨てる
ハーフパンツに手を当てようとすると謙也が思わず視線を逸らしてしまい、上からは舌打ちが聞こえた
そのまま財前は床に手を付くと身体をゆっくりと重ねるように落としていく
じわじわと伝わる熱に謙也も思わず見入ってしまい、乳首が触れあった瞬間、財前は甲高い声を上げた
「あぁぁっ」
「!!?」
「謙也さんの乳首、めっちゃ熱い…んッ」
「うわ、なに擦りつけてんねん!」
「あんっ…ぁ、あぁッ…これ、だけで…イってまいそぅ…んんっ」
財前はそう言いながら身体を上下に動かし乳首を擦りつける
お互いの小さな乳首が刺激を受け立ち上がる
プルンとした刺激が触れあう度身体中に伝わり頭では考えないようにしていても反応してしまう
ずしりとした感覚が下半身に伝わり、謙也が冷や汗を流す間もなく緩く立ち始めてしまう
気付かれないようにしなければ、と足を交差させ誤魔化しを始めるが、謙也がもぞもぞと動くので乳首を擦り続けていた財前も明らかに可笑しい行動に、一瞬動きを止めた
「謙也さん?」
「な、なんや…もうええんか?」
「もしかして勃ったんすか?」
口元を緩めた財前は身体を起こすと謙也の足元へ下がって行く
布を押し上げる下半身は男なら見覚えがあり、財前も当然どんなものか知っているはずだ
足を再び交差させて隠そうとするが財前が上に乗っているので叶わず、されるがままになってしまう
嬉しそうに目を細めると形を確かめながら布の上をなぞった







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