嗚呼、愛すべき日々(拍)





成人設定です。









「せやからぁ〜俺は謙也さんのそーゆーところが嫌いやの!」
「とか言って本間は好きなくせにー!」
「せやねん!こんなアホ嫌いになりたいのに好きやねん〜!!アホ〜!!」


華の金曜日。光と近所の居酒屋に来た。二人して呂律うまいこと回ってへんし。言ってることも意味分からへんし。でもなんかおもろい。幸せなことや。


「やからぁ〜俺は謙也さんの約束破りなとこが嫌やねん」
「でも本間に大事な約束破ったことないもん!」
「せやねん!そこがかっこええんよなぁ〜」
「本間か!ありがとぉ光〜だいすきぃ〜」
「って調子のんな!アホアホ謙也!」
「とか言って好きなくせにぃ〜」
「あ!!!!!」
「なん、吐く?」
「ちゃう!今日は吐かん!謙也さんここ出よ!」
「え、どないしてん」
「ラーメン!ラーメン食いたい!締めのラーメンや!!」
「はぁ〜?お前いっつもラーメンよう食われへんやんけ」
「ちゃうねん!今日はいける気がすんねん!とんこつラーメン!」
「もーお、しゃーないなぁ」



二人でよたよたしながら店を出て、よたよたしながら近所のラーメン屋さんに向かう。他の人から見たらかなり酔っ払い。酔っぱらった光は相当めんどくさい。でも俺も相当めんどくさい。まぁしゃーないわな。



ラーメン屋さんのおっちゃんは俺らを見て可笑しそうに笑って、すぐにうまいラーメン出してくれた。




「……………。」
「よっしゃ、いただきまーす」
「…謙也さん」
「なん?はよ食わんと麺伸びんで。」
「ごめん。俺ラーメン食えへん。」
「はーあ?もーだからやめよって言ったやんかぁー」
「や、俺小食やん?しかもとんこつ脂っこいやん?これアカンわ。せやけどおっちゃんええ人やん?俺申し訳なくて残せへん。せやから俺の代わりに食べて」
「もーーーやから言ったのに。」
「ごめんなちゃい。」
「それ言ったらなんでも許すと思ったら大間違いやで!まあ許すけど!」
「謙也さん最近おなかぷにぷにしとる。食べ過ぎちゃう?」
「あの、これ結構光のせいやからね。お前の食べ残し食ってやっとるからやからね」
「やってすぐおなかいっぱいになってまうんやもん。」
「ぶりっこすんな!かわいいやんけ!」



結局俺がほとんど食って、ラーメン屋さんを出て家に向かってふらふらしながら家に向かう。二人の家に。手も繋いどるけど、夜中やし酔っ払いやしオッケーやんな。



「あ!けにゃさん!ブランコ!ブランコ乗りたい!」
「えーけにゃさんもう帰って寝たいー」
「ブランコー!」
「あーもう待てやー」



光はダッシュで公園走ってって、ブランコに乗った。嬉しそうにけらけら笑いながらブランコ漕いで、途中でべしゃって落っこちた。



「光!だいじょぶかぁ」
「痛い…けんやさぁん、ブランコから落ちたぁ…」
「うん知ってる。見てたもん」
「いたい。だっこ」
「えー、いややーつかれるー」
「じゃぁおんぶ。」
「もーわがままやなぁほんま」
「せやで。かわいいやろ」
「くそっ!この可愛くないところが本間に可愛い!」
「ははは!意味わからん!」


光の手引っ張って立たせたら、そのままの勢いで光がキスしてきた。夜中とはいえ外で。本間に珍しい。かわいい。



「謙也さん、好きやで」
「ん。俺もやで」
「知っとるわ、アホ。」
「いや、俺、お前が思っとる以上に好きやからね、光のこと」
「…本間アホやな謙也さん」
「そんなアホな俺のこと大好きな光はもーーーっとアホ。」
「うるさい。はやくおんぶ!」





こんな風にふたりでべろんべろんに酔っぱらって、一緒の家に帰って即効ベッドで眠って。次の日ふたりして体しんどくて、一緒にお風呂入って、どっちが飯買いに行くか喧嘩して結局二人でコンビニに行く。飯買ったついでにDVDレンタルして一緒に見て、夕飯一緒に作って食べる。そんな幸せを俺たちは、今まで何度も繰り返してきた。それに、これからもずっと繰り返していくのだと思う。
せやけど、今当たり前に思ってる幸せは、全然当たり前なんかやなくて、本間に幸せなこと。それを忘れることだけは、絶対にしたくないと思う。



背中に背負った光がだんだん重くなってきた気がする。こいつ絶対寝とるやろ。ずる!俺もはよ寝たいし。




「…謙也さん。」
「ん?起きとったんか」
「これからもずっと一緒にいようなぁ。いろんなとこ行ってたくさん思い出作ろうなぁ。いっしょに長生きしようなぁ」
「うん。」
「せやから早くタバコ止めれるように頑張ってや」
「…努力します」
「約束やで。約束破ったら嫌いになるからな。まぁ無理やけど」
「それ約束ちゃうで」
「しゃーないやろ。あんたが俺のこと甘やかしてばっかやから気が付いたら俺もあんたに甘くなってもたんやって」
「光、大好きやで。」
「今のナシ。取り消せ」
「は!?なんで!?」
「俺が先に言おうと思ったの!せやから取り消し!…謙也さん、だーいすき!」
「痛い!光、首しまっとる!苦しい苦しい!!」



俺と光のあったかくて優しい一日がもうすぐ終わる。そして、目が覚めたら、また楽しくて愛おしい一日が始まる。そんな風に俺たちは、これからも愛すべき日々を重ねていくのだ。





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