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愛しているということ。

2013/08/04 01:37





触れ合う肌は、あったかいなんてもんじゃない。
焼けてしまいそうなくらい熱い。


口からでる言葉は、一途なんてもんじゃない。
そんなひとことじゃ片づけられないほど、悲痛で、苦しくて、苦い。
叫ぶように絞られるが喉がきゅっと締まって声にはならない。



好きで好きで涙が出る、なんて。
あいつは俺の前では泣かない。一度も。
何度も何度も泣いたはずなのに、本当は。
俺の前で涙を流すくらいなら舌を噛み切って死ぬといったんだ、あいつは。
(それがあいつの優しさだと当時の俺はわからなかった)





(今なら、わかる。)






愛しているということは、甘くてあったかくて優しくて、そんなものじゃなかった。


嫉妬深くてつらくて自己中心的で必死で目も当てられないようなもので、それでも。



「ん…」
「光、」
「あかん、寝てた」
「ええよ、まだ時間あるしもうちょっと寝とき」
「けんやさん、」
「なん?」
「あいしてる、から、はなれていかんで…」




そんな重っ苦しくてうっとおしい感情が、今も、これからも、俺の生きる理由なのだ。






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