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部活の自主練が終わって俺はもはや毎日行っているであろう音楽室に足を向ける。鳳が片付けがどうとかなんとか言ってるいるが気にしない。自主練を見に来た向日先輩たちが新部長は機嫌が悪いねぇ〜、などと言っているが気にしない。

今日も好きなアイツがピアノを弾いて、歌を歌っているからだ。



今はその歌が問題だが。






「名字」
「あ、若くん!自主練お疲れ様!」
「お前…、お疲れ様じゃねえよ…」
「え、何で、若くん機嫌悪いの…?」
「なんで言わなかった」
「何を?」
「今日、お前の誕生日なんだろ?」





Happy birthday to me〜
Happy birthday to me〜
Happy birthday dear わったし〜
Happy birthday to me〜♪





部活の間、音楽室から聞こえてきたのは、そんな無駄に発音のよい元気な声の歌とピアノの音だった。今日は何を歌っているのか気になって、耳を澄ましながらサーブを打とうとした時にそんな歌が聞こえたもんだから、気が抜けてサーブをミスって、相手をしてもらっていた鳳や先輩たちに笑われてしまった。





「若くん、歌に気づいてくれたんだね〜!ありがとう!」
「よくねぇよ」
「え、なんで」
「お前の誕生日なのにプレゼントも何も用意できてない」





俺のかばんに入っていて、あげれるものなんてぬれせんべい(本日のおやつ)、お茶(飲みかけ)、オカルト小説(読みすぎてボロボロ、しかも名字は苦手である)くらいしかない。他は部活で使うもので名字が欲しそうなものなんて1つもない。





「だから今日一緒に帰ろう」
「え」
「誕生日プレゼント買ってやるから」
「んー…ねぇ若くん」
「なんだ」
「今日はいつものぬれせんべいあるかな?」





ああ、あるぜ。と名字にぬれせんべいの袋を渡せば、名字はにっこりと笑って言った。




「私、誕生日プレゼント、これがいいな」





驚いて目が見開いて行くのがわかった。ぬれせんべいはおいしくておいしくて、本当においしい食べ物だが、誕生日プレゼントには似合わない。しかも好きな人への誕生日がぬれせんべいって俺がなんか嫌だ。





「ねぇ若くん。私、誕生日プレゼントが欲しくて、あの歌を歌ったわけじゃないよ」
「でも…」
「私、好きな人と…………若くんと一緒にぬれせんべい食べて、誕生日を、毎日を一緒過ごせるだけで幸せだから…」





だからわざわざ買わなくていいの!一緒にぬれせんべい食べよう!と、名字は俺の手を引いて、俺をピアノの近くの椅子に座らせる。後ろから名字の耳が真っ赤になっているのを見つけて、その言葉が嘘じゃないと気づく。






「名前」
「…え、若くん今、名前……」
「好きだ」






すき、の逆さまをあげる







数秒経って、無理矢理くっつけた唇を離し、誕生日おめでとう、と呟けば、顔を真っ赤にした名前から蚊の鳴くような声でありがとうが聞こえた。





Title:ひよこ屋
111023
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ありすちゃん誕生日おめでとう!

というわけで、エセ若くんを、プレゼントいたします!若くん難しいね…本当偽物でごめんなさい。ありすちゃんの旦那はどっちも書くのが難しすぎるよ…!

ありすちゃんが歌とかピアノとか、夢に向かって頑張っているから、音楽室でのお話にしてみました!若くんのよく訪れる学校スポットに音楽室ってあったし、ぴったりだなぁと思って◎

また今度ゆっくりテニストークしようね!ぜひワカシリンダーの書き方講座してください(笑)来年は上手く書きたいのだ!

お互いに受験がんばりましょう!

ありすちゃん大好きいいい!





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