◎日吉視点
◎凛ちゃんの言葉がわかりません。よってたまに標準語。
「…凛くん、元気かなあ」
部屋の前の縁側で寛ぐ名前は空を仰ぎながら呟いた。名前は氷帝テニス部のマネージャーであり、俺の幼なじみである。家が近いし、親同士の仲も良いから、今日みたいに昼飯を食いに来ることはよくある。
それでいて、名前は俺の好きな人でもある。だがそれは叶わぬ恋。名前には彼氏がいるから。その彼氏というのが、冒頭で名前が呟いていた凛くん、沖縄比嘉中の平古場凛だ。
7月の終わりに行われた、青学・氷帝・立海・不動峰・山吹・聖ルドルフ・六角・比嘉の主に各学校のレギュラーと、マネージャーとして名前が集められた合同サバイバル合宿で、2人は出会い、互いに恋に落ち、付き合うことになったようだ。
「うわわっ凛くんから電話だっ!」
ピンクの携帯から、名前の好きなアーティストの曲が流れる。恋愛について歌われた、すごく甘ったるい曲。この曲は平古場凛だけの、特別な着信音なのだろう。そう思うとなんだか妬けた。
「もももももしもし!凛くん?名前ですよ?ど、どうしたんでしょうか?」
「《…ただ、ぃやーぬ声が聞きたかっただけさ》」
「凛くん…。私も、凛くんの声聞きたかったです」
真っ赤な顔して、平古場凛と通話する名前に腹がたった。俺の家に遊びに来てるのに、なんで平古場凛なんかと電話してるんだよ。切ってくれよ。思いもむなしく、会話は続く。
「《今、何してる?》」
「若くんの家にご飯食べに来てました」
「《そっか…襲われんなよ》」
「大丈夫ですよ!若くんはそんなことしない…………」
「《?……名前?》」
そこで会話が途切れたのは、多分俺が名前を抱きしめたからだと思う。抱きしめた瞬間、びっくりしたのか名前の持っていた携帯は、カシャンと音をたてて、床の上へと落ちた。携帯からは、平古場凛が「名前?もしもーし?」と呼んでいる声が聞こえる。応えて欲しくなくて、俺は名前をぎゅっと強く抱きしめた。
「…わ、かしくん……?」
「…俺は、お前が……」
好きだ、と呟いて、驚き振り返る名前の唇に1つキスを落とした。
譲りたくない、誰にも。
(10年近く好きでいる女を)(そう簡単に諦められるわけがない)(…下剋上だ)
100802
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楠ありす様へ
遅れてしまいましたが、1周年おめでとうございます!そして相互してくださりありがとうございます!1周年のお祝いに、勝手ながらも若くんと凛ちゃん?の夢を書かせていただきました!ひゃわの少ない文才で頑張らせていただきました……。沖縄の言葉は難しいですね。若くんも凛ちゃんも難しいです。
こんなんでよければ貰ってやってくださいませ。書き直しはいつでもどこでも受け付けてます。これからもサイト運営頑張ってください!ずっと大ファンです!
長文乱文失礼いたしました!
ひゃわより