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自分のドジな部分をこんなに憎んだのは初めての経験かもしれません。

普段から何もないところで転んだり、おっちょこちょいなところがありすぎると自分でもわかっていたけれど、今日はドジを踏みたくなかったよ。




「よかったら20日、俺と遊びに行かね?」



丸井くんから、遊園地のチケットがあるから遊ぼう(しかも丸井くんの誕生日に)とお誘いを受けて、浮かれてしまったんです。恋人でもないのにですよ!嬉しいじゃないですか!

丸井くんかっこいいから、隣を歩いても違和感がないようにと、新しいお洋服やヒールの高い新しい靴を履いて、いつも以上にオシャレして、るんるんしてたんです。

しかも、かわいいじゃんって丸井くんスマイルいただいてしまったら、そりゃ私もテンションマックスになるわけで。誕生日おめでとうの言葉と、プレゼントを渡した後、浮かれながら遊園地の入り口に向かって歩いていたら、高いヒールに慣れていなかったせいか、派手に転んでしまったのです。足を捻りました。

現在ひざ小僧に絆創膏を貼りつけて、ベンチに大人しく座っています。悲しいです。丸井くんに申し訳なさすぎて泣いてしまいそう。



「おーい名前!そこの売店から氷もらってきたから、足冷やしとけ」
「ありがとう…」
「あとサンダルみてーなの買ってきたから、それ脱いでこれ履いとけ」
「ううっ…ありがとう…」



今日は丸井くんのお誕生日なのにな…。丸井くんの行きたいって言っていた遊園地に来たのに、私のせいで全然楽しめないことが本当に申し訳なくて、涙がジワリと出てきた。



「ん…?ど、どうした名前?足痛むのかよい?泣くなー!それとも他が…?」
「…丸井くんに申し訳なくて…丸井くんの誕生日なのに…」
「んなこと気にしなくていいっつーの。転んじまったもんはしゃーないだろい?」
「でも…丸井くんこの遊園地楽しみにしてたのに…」



私がそう言うと、丸井くんはんー…、と困ったように唸り出した。ちょっと頬が赤い。今日は天気いいから暑いんだろうなあ。



「…あのな、最後に言おうと思ってたんだけど、正直に言うわ」
「うん…」
「俺さ、誕生日にお前と過ごすことが楽しみだったんだよ」
「うん………ん?」
「俺、お前のこと好き、大好きなんだよい」



バサッと音を立てて地面に落ちたのは、私が持っていた氷の袋だった。だって告白されるなんて思ってなかったんだもん。派手に転けて、ドジなとこアピールしちゃって、呆れられていたと思っていたから。



「だからぶっちゃけ遊園地とかどうでもよかったんだよ。お前と遊ぶためのきっかけつーか…。まあ、とにかくだ、迷惑とか思ってねーから安心しろい」
「…うん」
「でも次の機会はめいいっぱい遊びたいから、ヒール高い靴やめとけよな」
「う、うん!」
「…俺と…付き合ってください。そんでまた遊びに来ようぜ」

「………丸井くん」
「ん?」
「私も、丸井くんが、大好き。私と、付き合ってください」



花 星




「そりゃあよかった、これからもよろしくな!」



泣きそうになりながら返事を返すと、そう言って丸井くんは微笑んだ。かっこよくて、胸がキュッとなる。やっぱり大好きだなあ。

気がついた時には、足の痛みはどこかに消えていた。





12.0420
ハッピーバースデー丸井くん!
おまえ誰やねんって感じの小説でごめんなさいです。愛はこめたよ!丸井くん大好き!!





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